初めて2カ月連続1億円超え 首都圏の新築分譲マンション平均価格

東京
 首都圏で2025年8月に発売された新築分譲マンションの平均価格が1億0325万円(前年同月比8・3%上昇)となり、2カ月連続で1億円を超えた。不動産経済研究所(東京都新宿区)が18日に発表した。同社によると、首都圏の平均価格が2カ月続けて1億円を超えるのは調査を開始した1973年以来初めて。建設現場の資材費や人件費の高騰、土地代の上昇を要因に販売価格は高止まり傾向にある。こうした動きはとりわけ利便性がよく人気の高い東京23区内で顕著だという。  東京23区の平均価格は1億3810万円(同1・0%下落)。4カ月連続で東京23区の平均価格が1億円を超えた。資材費や人件費の上昇基調に落ち着き感が見られるものの、全体的に高値水準で推移している。  首都圏の発売戸数は1301戸(同78・7%増加)だった。内訳は、東京23区690戸(同100・0%増加)、神奈川県225戸(同58・5%増加)、都内市町村176戸(同158・8%増加)など。東京23区のシェアは53・0%だった。2カ月連続で50%を上回り、供給が人気の都心部に集中している傾向が鮮明になった。  首都圏の初月契約率は65・1%だった。好不調の目安とされる70%を上回った直近の月は25年3月(76・2%)で、4月以降は70%を下回る状況が続く。  8月の市場は、販売主がお盆休みにモデルルームを閉めることから発売戸数は少ない。今年も発売戸数の実数は少ないものの、都心にある注目物件の第1期販売分の抽選結果が反映されるなどして、平均価格が押し上げられ、「例年の8月らしからぬ状況になった」(松田忠司上席主任研究員)。  施工状況では、工期を1物件で複数回にわたり延ばすといった建設現場は少なくなり、資材の調達や人手の対応といったリスク要因に備え、着工前から設定工期を慎重に見極める動きが顕著になっているという。