広瀬芳弘氏(ひろせ・よしひろ=徳島県建設産業団体連合会長)
四国
広瀬芳弘(ひろせ・よしひろ)氏
徳島県内の建設産業10団体のまとめ役として6月の総会で新会長に就任した。「業界全体の最大の課題は担い手の確保と育成。現在も業界は危機的状況にあるが、10年後の地域建設業はさらに加速度的に人手不足と経営体力が弱体化する。まちを支える基幹産業としての役割、有事に備えた地域の守り手としての役割を果たせなくなる」と近未来の業界を懸念する。その上で「若者がふるさとに戻って来る環境強化を官民が連携し整えることが重要」と持論を述べ、「業界全体の人材確保に向け、公共工事の安定的な発注環境づくりを要望していく」と抱負を語る。
若者の受け皿づくりには、地域資源の活用と基幹産業の体力づくりを挙げる。「戻れる受け皿があって初めて若者が戻って来る。まち全体で地域ならではの環境や資源を生かし、基幹産業を充実させることが先決。現在の状況では、地元に戻る若者の未来を後押しすることができない。地方創生は産業と人が根付くことで始まる」と思いを語る。
『発注者のニーズに応え、信頼と満足を得る品質・サービスを提供する』が基本姿勢で、会社の理念にも掲げる。「建設産業は地域を守り、未来を築く産業だ。時代の変化に合わせて新しい技術を取り入れながら、地域社会に貢献し続けることが私たちの使命」と語る。(徳島支局=大川滉太)
【略歴】東洋大学工学部卒。1978年広瀬組入社、2003年に代表取締役社長に就任。25年6月から現職。徳島県建設業協会副理事長、建設業労働災害防止協会徳島支部副支部長など兼務。徳島県那賀町出身。69歳。