横浜市 設計に松田平田設計を特定 上瀬谷の現地指令施設
神奈川
横浜市建築局は旧上瀬谷通信施設地区での現地指令施設整備に関して、設計業務の受託候補者に松田平田設計横浜事務所(横浜市神奈川区)を選んだ。公募型プロポーザル方式で特定。応援車両を円滑に受け入れる車両動線や、災害時と平時の両方を考慮した車庫の提案、BIMを活用した品質向上策などを高く評価した。
旧上瀬谷通信施設地区のうち、「公園・防災地区」と位置付けた旭区上川井町の面積約2万平方㍍を活用して現地指令施設を整備する。災害時に全国から集結する応援部隊を受け入れる拠点となる。平常時には、消防署の出張所のような機能を持たせる予定。
松田平田設計の提案によると、テーマは「環境」と「防災」。市民に親しみやすく開放的な防災啓発スペースを持ち、新しく整備する公園と一体となった広域防災拠点をイメージしている。
現地指令施設には、鉄と木材の混合構造の大屋根を設置。1階には車庫の他、応援職員の待機室や更衣室、資機材保管庫などを設ける。2階をエントランスとして、防災啓発の展示スペースを整備。分割利用が可能な事務室と機械室も配置する。
公園側には根切残土を使った「緑の丘」を整備して、土中に雨水貯留槽と循環式貯水槽を埋設することを提案。ZEB化によって大規模災害時も自立稼働できる施設にするなどで、環境と防災の両立を目指す。
市が示したスケジュールによると25~27年度に基本・実施設計をまとめ、28~29年度に施工、30年3月の完成を目指している。松田平田設計の計画を採用した場合、3カ月の工期短縮やライフサイクルコストの20%削減が見込める提案となっている。
プロポには3者が参加意向を示したうち、1者が辞退。松田平田設計横浜事務所の次点は白川設計(横浜市中区)だった。