四国初 NW型遠隔施工現場で見学会
四国
遠隔操作を体験する参加者
四国で初めて砂防工事でネットワーク型の遠隔施工が試行的に進められている。徳島県三好市東祖谷釣井の熊谷第4堰堤工事の現場で、建設会社などを対象とした現場見学会が9月19日に行われた。発注者の国土交通省四国山地砂防事務所の平澤良輔所長は「現場の働き方を大きく変えることが期待される。将来につながるように、しっかり検証を進めたい」と話し、技術者や地域住民の安全確保や暑さ対策への効果に期待を寄せた。
地震や大雨などの災害時に土砂や岩石が流出してできる天然ダムでの工事は、天然ダムの上に乗って重機を施工する必要がある。これまで無人での施工は、ラジコンなどを使って行われていたが、近くで状況を確認すること自体に危険性があった。そのため、四国山地砂防事務所では、ネットワーク型の遠隔施工を試行して、データ収集やオペレーターの意見をまとめている。
現場では、土砂掘削や場内運搬に使用するバックホウとキャリアダンプを遠隔操作で実施。操作は現場から離れた制御室でWi―Fiを使って行う。現地に光ケーブルなどの通信設備がないため、遠隔操作に必要な映像は、Wi―Fiと人工衛星(スターリンク)を活用した。
見学会には、徳島県内を中心に建設会社などから50人が参加した。参加者は、遠隔操作室で実際にバックホウを操作。器用に乗りこなす人もあれば、少しオペレーションに戸惑う人もいたが、一様に操作性の高さを体感していた。
同工事で現場代理人を務める姫野組の藤本宗輔氏は、「2~3時間くらいで慣れた」と振り返り、「危険な場所での遠隔操作は、安全性がかなり向上する。また涼しい部屋で作業ができて、暑さ対策にも効果がある」とメリットを口にする。一方で「実際に人が重機に乗って作業する方が効率的。通信障害や遠近感が分からない部分もある」と課題も挙げながらも「バックホウに乗った経験がない若手は、いきなり遠隔操作をした方が従来施工並みの効率が図れるかもしれない」と話した。
