湖西市 草刈り担い手不足の現況を報告

静岡
 湖西市は、市内で草刈りの担い手が不足し、繁茂する草木が生活環境を悪化させてしまう問題に関し、市の対応の現況を報告した。市議会9月定例会で福永桂子議員(無所属)の一般質問に、内藤健作環境部長、匂坂隆拡都市整備部長が回答した。  質問では、高齢化の進行などを背景に道路や河川、住宅地の周辺で草刈り作業の担い手が不足していることや、猛暑により草木の成長が早まっていることなどの問題を指摘。空き家や空き地の増加とともに、隣接地の雑草・樹木の越境による被害も増えているという。放置された草木は景観を悪化し、視界不良・通行障害による事故や、野生動物の侵入にもつながる。市が管理する公園への進入路が樹木でふさがれ大型車両が通行できないといった事例もあり、事前巡回や予防的管理が不十分で体制整備や支援策の見直しが必要、などと指摘した。  市は現状と課題について、生活環境への悪影響を認識しているが、一方で土地の管理については土地の所有者・土地使用者が管理することが原則と指摘。その前提において管理不全が見受けられたときは、条例と関係法令に基づき、市から土地所有者などに関し、年間を通した適正管理を指導する通知を発出しているとした。  24年度に同市は「空き地の環境保全に関する条例」を適用し、空き地に対して61件の指導を実施、改善が見られず再度指導に至ったのは1件で、現状では市の指導通知による一定の実効性を確保できていると報告した。  公園の管理については造園業者や自治会などとの業務委託契約により年間を通じて維持管理を行う他、年4回の公園点検で木の張り出しや雑草の繁茂状況を確認、対応している。道路の管理については街路樹は剪定業者、交通量が多い主要路線の草刈りについては建設業者などと業務委託契約を締結しおおむね年2回の維持管理作業を行っている他、土木課職員による対応のケースもあるとした。  管理不全状態の空き家・空き地については、空き家等対策に関する特別措置法や、湖西市空き地の環境保全に関する条例に基づき、所有者に対して注意喚起や指導、勧告などの措置を講じていく。また、自分の財産は自分で守るという前提に基づき、セミナーや相談会を通じて市民への周知・啓発に努めていく、などの対応方針を示した。