リニモ 26~29年度設備投資 計51・8億円見込む
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リニモを運行する愛知高速交通は、9月22日付で旅客運賃改定の認可申請を行った。この中で、今後の設備投資計画を示し、2026~29年度の4カ年度に計51億8800万円を投入して安全対策・サービス改善投資を行っていく見通しとした。
投資計画では、車両用監視カメラの新設をはじめ、主な更新設備として▽ITV装置(駅用監視カメラ)▽旅客案内装置(ダイヤ案内装置)の更新▽駅制御装置(車両・ホームドアの制御)の更新▽電子連動装置(分岐制御等)▽自動列車制御装置(地上ATC装置)▽改札機・券売機等の駅務機器(ICカード対応)―を挙げた。また、ホームに設置している点字ブロックの再整備を行う。
年度毎の設備投資計画は、26年度に14億3700万円、27年度に19億5800万円、28年度に12億7900万円、29年度に5億1400万円を見込む。24年度実績は2億4400万円とし、25年度は6億7800万円を計画する。
リニモは、ジブリパークの開園もあり、24年度の輸送人員は05年の愛知万博以降初めて1000万人を超えた。一方、資機材や人件費上昇による修繕費、設備更新費の増加、電気動力費の高止まりで鉄軌道事業を取り巻く環境は非常に厳しいとしている。また、開業から20年が経過し、電気、通信、信号保安、駅務機器などの老朽化対策に計画的な投資を行っていて、数年後には内部留保資金が枯渇する見込みだとする。さらに、社会情勢を踏まえた安全対策、近い将来車両などの大規模な設備更新投資にも備える必要があるとしている。
運賃改定申請は、2度の消費税改定による変更を除くと開業以来初めてとなる。改定は26年秋を予定し、改定率は計13・9%(定期外、定期の合計)。普通旅客運賃で40円の値上げとなる。