都 旧江戸川橋梁、渡河部の詳細設計に着手

東京
 東京都建設局は千葉県県土整備部と共同で整備する「旧江戸川橋梁(仮称)」について、延長185㍍の渡河部の詳細設計に着手した。上部工の構造形式を鋼3径間連続鋼床版箱桁橋と想定。中央復建コンサルタント(千代田区)が2027年2月の納期で業務を手掛ける。千葉県の用地取得の進捗を踏まえて着工のタイミングを見極める。  旧江戸川橋梁は旧江戸川で隔てられた江戸川区江戸川1丁目と千葉県市川市押切を結ぶ補助第143号線の橋梁。都県間の新たな道路ネットワークの形成や救急搬送の迅速化、防災力と利便性の向上を目的に整備する。23年1月に国土交通省から都市計画事業の認可を受けた。  事業延長は東京都が約360㍍、千葉県が約420㍍の計780㍍。総事業費は約120億円で、このうち約31億円を都が負担する。31年度の事業完了を予定している。  都建設局は渡河部の約180㍍と江戸川区側の取り付け部約270㍍の整備を担当。渡河部の幅員15㍍に対面2車線と両側歩道を、取り付け部の幅員24・5㍍には対面2車線と側道、両側歩道を設ける。  渡河部の構造型式は上部工が鋼3径間連続鋼床版箱桁橋、下部工の橋脚が張り出し式2基(鋼管矢板ウェル基礎)と壁式2基(既成杭基礎)を想定している。委託した業務では渡河部の詳細設計に加え、歩行者用の斜路と斜路付き階段の予備・詳細設計や、斜路などの橋脚2基(既成杭基礎)と逆T式橋台1基(既成杭基礎)の検討も行う。  また、江戸川区側取り付け部の側道約240㍍や篠崎街道との交差部を対象とした予備設計を中央復建コンサルタントに別途委託。26年8月の納期で完了してもらう。用地取得を終えており、25年度の業務成果を踏まえて、26年度以降は取り付け部の対面2車線や橋台の詳細設計を進める予定だ。  一方、県県土整備部は市川市側の取り付け部約330㍍の整備を担当。幅員26㍍に対面2車線と側道、両側歩道を配置する。  23年度に用地測量に着手して境界確定を進めており、25年度から用地取得に乗り出した。また、セントラルコンサルタント(中央区)が排水に関する予備設計を12月、取り付け部の施工計画検討業務を26年3月の納期でそれぞれ手掛けている。詳細設計の委託先を決める入札の手続き中で、10月9日に開札する。履行期限は27年3月15日。  事業促進PPPも導入しており、関係機関との協議・調整や全体事業計画の整理などを内容とする業務を福山コンサルタント(千代田区)に委託。26年3月25日の納期で成果を得て早期の工事着手につなげる。