Interview 武田誠氏(中部大学工学部長)

中部

武田誠氏

 中部大学工学部は「あてになる技術者」の育成を目指し、教育・研究活動を展開している。前身の中部工業大学工学部が開設された1964年に、建設に関わる土木工学科(現在の都市建設工学科)と建築学科が設置され、地域建設業にも多くの学生を輩出してきた。大学を取り巻く状況が大きく変わる中、同学部が描く将来展望について、4月に学部長に就いた武田誠氏に話を聞いた。(聞き手は名古屋支局=酒見伸輔)    ―学部長就任の経緯と抱負は。 「前学部長の幅上茂樹先生が副学長に就任され、後任として受け継いだ。学生募集を始めとした大学を取り巻く環境が大きく変化する中、本学部では、学生や受験生に魅力を感じてもらえるようさまざまな取り組みを進めている。受け取ったバトンを未来につなげていくため、まい進したい」  ―魅力ある学部の実現に向け、どのように取り組むか。  「都市建設工学科では、学びをさらに充実させるため、『デザイン』をテーマに据えた学びの展開を検討している」  「『デザイン』とは、構造や土質、交通などの学問的な基礎をベースとした都市基盤の設計に加え、さまざまな課題に対して実現可能な解を見出すエンジニアリングデザインである。もうひとつは、まちづくりの空間プランニングを想定。地域の自然・歴史・文化を読み解いて、快適で心地よい空間を想像することを目指している」  「学部全体でも、学生それぞれが主体的にデザインできる環境づくりを進めたい」  ―学部の現状はどのように捉えているか。  「AIを始めとした情報技術の発展があり、情報工学科は人気が高い。また、製造業が盛んな地域ということもあり、機械工学科も人気だ。建築学科も人気が高まる傾向がある」  ―所属する都市建設工学科については。  「都市建設工学科は、施工会社だけでなく、建設コンサルタントや官庁など、地域建設業を支える人材を輩出してきたという実績がある。私は水工学の教育・研究に従事してきたが、浸水想定など幅広い分野で活躍する卒業生の話を聞くととても嬉しい」  ―現状を踏まえ、どのような展望を描くか。  「学生主体の活動を積極的に支援、評価していきたいと考えている。授業という枠を超えて取り組むものにも、単位化なども含めて検討していきたい」  「また、卒業研究への注力も不可欠だ。卒業研究は実験や解析などを経て、自分のテーマについて考えを深められる、アクティブラーニングの実践。真剣に向き合い、学生生活の集大成として成果を作り上げることは生涯の財産になる。それらの成果を学会などで発表し、外部からの評価を受けて、大きく成長してほしい」  「ワンキャンパスという利点を生かし、学科の枠を超えた共同研究なども面白いと思う。これらの学びを通じ、第一線で活躍できる実践力を携えた『あてになる技術者』として社会に羽ばたいてほしい」   【経歴】1997年3月、京都大学工学研究科土木工学博士後期課程修了後、同年に中部大学工学部助手。2013年に教授となり、都市建設工学科主任などを務め、25年4月より現職。専門は防災工学、水工学。長崎県長崎市出身。55才。