都 芝浦排水機場の増強へ基本設計

東京

芝浦地区の▲が芝浦排水機場

 東京都港湾局は芝浦排水機場(港区)を増強する。降雨量の増大などを見据えて施設を増設し、排水能力を現在の毎秒44立方㍍から毎秒69立方㍍に引き上げる。これに伴う基本設計の委託先を10月に決定し、2027年度までの3カ年で作業を進めてもらう。並行して一部の詳細設計に取り掛かり、順次工事を行う可能性があるとしている。  芝浦排水機場は港区港南3ノ9ノ63に立地する海岸保全施設。台風や大雨などに伴う水門の閉鎖で芝浦地区(古川~目黒川臨海部)を流れる運河の水位が上昇した場合に排水し、内水位の高さを一定以下に保って陸側の浸水を防ぐ役割を担っている。  鉄筋コンクリート造で延べ床面積2037平方㍍の建物に立型軸流ポンプ3台を設けており、毎秒44立方㍍の排水が可能。1974年に完成した。すぐ脇に高浜水門がある。  港湾局は2023年3月に「東京港海岸保全施設整備計画」を策定し、気候変動による降雨量の増大などを見据えて31年度までに着手する対策を示した。排水機場については内水位が内部護岸の計画天端高を超えないよう、複数の地区で必要排水量(排水能力)を設定。このうち芝浦地区は現在の毎秒44立方㍍から毎秒69立方㍍に引き上げるとしている。  これに対応するため、既存の芝浦排水機場に隣接する港湾局敷地(港区港南3丁目地内)に施設を増設し、大型ポンプ3台を配置する。敷地が運河に面していないことから、増設する施設と運河をつなぐ導水路も必要になる。  基本設計の委託先を決める希望制指名競争入札の手続き中で、10月9日に開札する予定。増設する施設に加え、1月の入札が不調になり再発注を見送っていた導水路や吸水槽などの設計も業務内容に含めている。委託期間は28年1月24日まで。また、施設の増設に伴う防潮堤の詳細設計は五省コンサルタント(川崎市川崎区)が6月30日までの委託期間で手掛けた。