静岡市 海洋ミュージアム「コストダウンを検討」
静岡
静岡市は、清水区日の出町に建設予定だが建設費高騰で足踏み状態の(仮称)静岡市海洋・地球総合ミュージアムの状況を、「事業費の圧縮に向けて、事業者があらゆる面からコストダウンを検討している」とした。9月25日の市議会9月定例会で寺澤潤議員(自由民主党静岡市議会議員団)の質問に金丸貴之海洋政策統括監が答えた。
コストダウンの検討内容について、事業者提案のうち要求水準を上回っているものは、水準を満たす範囲で内容を見直す他、効率的な展示配置や、一つの空間をさまざまな用途に活用するなど、施設全体のレイアウトや規模の見直しなどをすると答弁した。
取水方法を含め、水族飼育設備の計画や仕様も再検討し、施設の規模と設備内容の両方でコストを抑えるための見直しを進めている。
ミュージアムの整備運営について、市は2023年に乃村工藝社を代表企業とする特別目的会社「静岡海洋文化ネットワーク」と契約。当初は26年2月に完成する予定だったが、建設費用の高騰で着工は先送りとなっている。
事業費は当初、約94億円を想定。市議会6月定例会で難波喬司市長は、今後の物価上昇などを推計して上乗せした場合、費用は70億円以上の増額になる見通しを示していた。
市は、設計変更と維持管理運営費や入館料収入も見込んだ事業運営計画全体の見直しを、26年3月までに行うことを事業者と確認済み。「一日でも早く着工できるよう、事業者と密接に協議する」とした。