墨田区 トリフォニーH大規模修繕設計を26年度

東京
 墨田区は、基本設計を皮切りに2026年度から「すみだトリフォニーホール」の大規模修繕事業に着手する。特定天井の耐震化に加え、昇降機の更新や内外装の修繕、バリアフリートイレ2カ所の増設などを行う。設計費を除く概算工事費は83億円(基本・実施設計費、音響設計費、パイプオルガンのオーバーホール費を除く)。26年度に基本設計、26~27年度に実施設計を進める。28~29年度の2カ年で改修し、30年度中の供用開始を目指す。  規模は鉄骨鉄筋コンクリート造地下3階地上9階建て延べ約2万平方㍍。大ホール(1801席)、小ホール(252席)、楽屋17室、練習室3室などの他、パイプオルガンが設置されている。新日本フィルハーモニー交響楽団の活動の本拠地としても知られ、国が採択する全国の「劇場・音楽堂等機能強化総合支援事業」の対象施設でもある。1997年5月に完成し、同年10月に開館した。  大ホールと小ホールの特定天井は、現行の法令基準を満たしていないため撤去。音響特性の維持を考慮した工法で天井を張り替えた上で耐震化する。外装工事は外装タイル補修と塗装の更新、クリーニングを計画。内装工事は各階のトイレの更新と昇降機制御をリニューアルする他、客用通路カーペットを更新し、客席をクリーニングする。  設備工事は、受変電設備や防犯警備設備、消防設備を更新。舞台関連は舞台床機構設備や舞台照明設備、舞台音響設備を更新する。この他、照明のLED化、パイプオルガンのオーバーホールを見込む。所在地は錦糸1ノ2ノ3。  19年度に大規模修繕に関わるコンストラクション・マネジメント(CM)業務を日建設計コンストラクション・マネジメント(文京区)に委託し、22年度からは緊急性の高い修繕・更新を順次進めてきた。CM業務内で算出した大規模修繕の概算工事費は46億円だったが、物価上昇などによる工事費の高騰を踏まえ、83億円に増額した。