県 県営水道の鋳鉄管 鎌倉水道営業所管内に4割が集中
神奈川
神奈川県は、老朽化した鋳鉄管の更新に当たって、現在敷設されている鋳鉄管の約7割が県営水道創設期から給水区域だった鎌倉市や湘南地域に残っていることから「敷設されている地域の偏在が課題」との認識を示した。特に鎌倉水道営業所管内には約4割が集中している。国が計画の策定を要請した緊急輸送道路下や基幹管路に当たる鋳鉄管の割合は明らかにしていないが、今後の更新工事が同地域に集中する可能性を踏まえて「工事執行体制の強化、発注方法の工夫が必要」とした。
県営水道では1971年まで鋳鉄管を使用、これ以降は耐震性や防食性に優れたダクタイル鋳鉄管を採用している。現在、県営水道の給水区域内の水道管は延長約9500㌔あるが、鋳鉄管は概算で約400㌔残っている。
国は4月に京都市で発生した漏水事故を受けて、鋳鉄管の更新計画を1月末までに策定するよう水道事業者などに要請した。緊急輸送道路下の管路は5カ年、これ以外の送水管などの基幹管路は10カ年で更新するよう求めている。県営水道の鋳鉄管のうち、緊急輸送道路下は延長約30㌔、基幹管路は約40㌔の計約70㌔が要請の対象と見込んでいる。
県営水道が創設された1933年当時から給水区域に含まれていた現在の鎌倉市や湘南地域には、鋳鉄管約400㌔のうち7割が残る。特に鎌倉水道営業所管内(鎌倉市・逗子市・葉山町)には4割が集中する。企業局水道部計画課の吉井昭寿課長は「今後の更新工事がこの地域に集中する可能性がある。工事執行体制の強化、発注方法の工夫などの対応が求められる」と話した。
鎌倉市と藤沢市で鋳鉄管の漏水事故が発生したことを受けて、県議会第3回定例会の建設・企業常任委員会では各会派が鋳鉄管の更新について取り上げた。