川崎市 入札参加条件に受注機会確保などを考慮
神奈川
川崎市議会第3回定例会で加藤孝明氏(自民党)が代表質問に立ち、市内の中小企業・専門工事事業者の受注機会の増大について見解をただした。斎藤禎尚財政局長は「受注確保や業務特性を考慮した入札参加条件の設定に向けて協議する」と答弁した。
加藤氏は「市の入札案件では、制限を緩めたことで市内の中小企業・専門工事業者による受注が妨げられている事例がある」と指摘。「専門的な資格や資機材の所有の有無などを入札の参加条件とすることは重要。条件付けは契約課ではなく所管局がするべき」とし、市の見解を求めた。
藤倉茂起副市長は「市内専門工事事業者の受注機会の確保を図ることは重要と認識している。適正な履行の確保に必要な入札参加条件の設定を行っていく」と答弁。
斎藤局長は「業務内容に応じて、有資格技術者の配置や履行に必要な資機材の保有・調達ができることなどを入札参加条件として設定している。競争性・公平性の確保に留意した上で、受注機会の確保の視点や業務の特性を考慮した適切な入札参加条件の設定について発注部署と協議する」と答えた。
加藤氏は「品質確保の意味でも、本来業務を履行し施設を管理運営する局が元請け条件を厳しく加えなければならないはずだが、委託業務などではそれがほぼ機能していないことが明白。早急に対応するよう強く求める」と要望を述べた。
続けて変動型最低制限価格制度について取り上げ、「建設業界に行ったアンケートでは反対意見が多かったのに、反映されなかった」という川崎市産業振興協議会で挙がった声を紹介。「業界からの意見をどのように受け止めているのか」と質問した。
斎藤局長は「2024年度に実施したアンケートでは『制度の拡大・改善実施』と『現行試行の継続』が合わせて36%、『廃止』が22%だった。入札参加者が多いことによる受注機会の減少を懸念する意見を聞いている」と述べ、「25年度からは、本社所在地を資格とする南北入札や主観評価項目制度を活用するインセンティブ発注などを併用している。今後も市内事業者の意見を踏まえながら制度の検証を行い、改善に向けて検討する」と方針を示した。