大阪市生野区 勝山小跡地市場調査結果を公表

大阪
 大阪市生野区は、2026年3月に閉校する勝山小学校の跡地活用方針を定めた「勝山小学校跡地活用計画(案)」を基に実施したマーケットサウンディング調査の結果を公表した。1者が参加し、「学校」として活用するアイデア(用途)の提案があった。  マーケットサウンディングに参加した事業者からは、敷地内に「避難スペース」「避難所運営事務所スペース」「備蓄倉庫」「一時避難場所」「水害時一時避難場所」を確保し、発災時以外の平常時にも地域住民が一時的使用可能とすることなどとした跡地活用の必須条件について、「対象用地における防災拠点機能や地域貢献の必要性に大いに共感でき、事業理念とも合致するので可能な範囲で協力したい」との回答を得た。事業用定期借地権設定契約(10年以上50年未満)を結んで市が事業者に跡地を貸し付けるという契約形態については、「貸付期間は50年未満となっているが、長ければ長いほど理想的」とし、長期にわたり活用する考えを示した。  この他▽地中障害物の状況や東側セットバック、私道管理の負担については引き渡し後の施設建築など、費用負担の面で懸念される▽地域貢献、地域連携に重きを置いた活用の基本的な考え方を見る限り、価格競争にはなじまない▽実現可能な提案実施のためには公募開始から提案までは半年以上の期間を設けてほしい▽消防水利やソーラーパネルの設置について方向性は賛同するが、負担が大きいため設置は困難―といった意見があったという。  生野区では、今回の提案や意見を参考に、同跡地の活用や持続可能な学校跡地の運営方法について検討、事業者が学校跡地を利活用し、運営することを想定した公募を予定している。跡地活用計画案によると、26年春ごろに跡地活用計画を確定し、事業者の公募を開始、秋ごろに決定する。その後、28年までに既存建物を市が解体し、更地になった用地に事業者が新たな施設を建設するスケジュールが見込まれている。  物件所在地は大阪市生野区勝山南1ノ3ノ5の敷地8722平方㍍(うち学校用地7828平方㍍、公衆用道路762平方㍍など)。用途地域は第一種住居地域。建ぺい率80%、容積率300%。既存の校舎などの建物は市が貸し付け前に解体する他、埋蔵文化財包蔵地(勝山北遺跡の範囲)に該当するため、市が26年度中に試掘調査を実施する。