国交省 冠水対策へ検討委員会立ち上げ

中部
 国土交通省は9月26日、12日の記録的短時間大雨により冠水したくすの木パーキングでの被害を踏まえ、「四日市市地下駐車場施設復旧検討委員会」を設置した。委員長には川口淳三重大学大学院教授が就いた。今後のスケジュールは未定としながらも川口委員長は「早期復旧に向け一丸となって検討していく」と話す。  委員には松本幸正名城大学教授、国交省中部地方整備局や三重県、四日市市、ディア四日市、TFIの職員が就任。初回となる今回は、施設に関することや、9月12~13日の雨の様子、冠水の状況などについての説明した後、現地を視察した。  今回の事案は、9月12日に123・5㍉の雨が降り、その急激な雨が地下へ流入したことに始まる。歩行者用出入り口10カ所(手動)と、車両用出入り口3カ所(電動)、全ての箇所に止水板はあったが、人命の危険性から職員が避難し、設置されることはなかった。職員は24時間3交替体制で、当時2人が担当していたが、止水板を設置する余裕はなかった。これに加え、車両用出入り口のうち国道側2カ所の止水板が故障していることが分かった。  川口委員長は冠水そのものを防ぐことに対し「確たるものは申し上げられないが、かなり難しいと思う」と述べ、止水板が作動しても免れたかどうかわからないとの見解を示した。  今後の検討課題として、ハード面では止水板の稼働、排水ポンプの稼働、電気が消えない構造、ソフト面で現状の体制では対応できないことを挙げた。また、2021年12月にすでに止水板が故障していたことが明らかとなり、国交省は陳謝した。  排水に向けた動きは、三重河川国道事務所やディア四日市(管理会社)、協力建設会社が9月13日から排水作業を開始し、17日まで延べ94時間を掛けて作業を終えた。最大浸水高さは地下2階から510㌢に達した。