明和地所 本牧元町共同ビルを取得 解体跡地にマンション建設へ

神奈川

取得する「本牧元町共同ビル」。1968年に完成した

 【横浜】明和地所(東京都渋谷区)は、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律(以下、マンション建替法)」に基づく敷地売却事業により、横浜市中区にある地上権付きマンション「本牧元町共同ビル」を2026年3月までに取得する。26年4月から建物の解体工事を進め、跡地にはマンションを建設する計画だ。  所在地は横浜市中区本牧元町61ノ1の敷地644平方㍍。JR根岸線の山手駅から約2・7㌔の場所にある。用途地域は近隣商業地域(建ぺい率80%、容積率300%)と第1種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)。  建物の規模は鉄筋コンクリート造4階建て延べ1791平方㍍。住戸18戸と店舗2区画を備える。神奈川県住宅供給公社が市街地共同住宅建設事業の一環で土地所有者との共同事業として開発。地上権付き分譲マンションとして、1968年に完成した。  同マンションを巡っては、土地所有者が相続を迎える前に権利を整理することを考え、2018年に弁護士や不動産事業者へ相談を開始した。建物については耐震不足に加え設備の劣化などの課題があることから、マンション住民を交え、敷地売却や建て替え、耐震改修の比較検討を実施。話し合いの結果、マンション建替法に基づく敷地売却決議に向けた手続きを進めることにした。  明和地所は事業協力者として23年から参画し、コンサルタントの環境企画設計(東京都港区)と共に、合意形成に向けた活動を進めた。地上権の期間が残りわずかだったことや、土地所有者が専門家を交えて反対者に丁寧に対応したことにより区分所有者の合意形成に至った。  9月13日には本牧元町共同ビルマンション敷地売却組合が設立。26年2月までに分配金取得計画の認可を受け、同年3月に建物を引き渡す。  マンション建替法による敷地売却としては神奈川県内初の事例となる見込みだ。