千代田区 神田錦町南部まちづくり指針作成
東京
千代田区は、神田錦町南部地区まちづくりガイドラインを策定した。エリア内で検討が進む再開発事業も視野に、核となる拠点の形成や大規模広場の創出を目指す内容だ。
対象地区は神田錦町1〜3の各一部。面積は約12・8㌶。地区の北側を神田警察通り、東側を本郷通り、西側を白山通り、南側を補助第96号線が囲む。さらに古書店が集積する神保町をはじめ、大学・予備校・専門学校などが立ち並ぶお茶の水、商店街が続く神田駅周辺、金融・経済の中心地である大手町・丸の内などに取り囲まれている。
一方、神田錦町は周辺エリアと比べて印象が薄く、人々が集積する動機付けが難しい。老朽化した建物が多く、機能更新に課題がある。にぎわい・憩いの場となるはずの公園や緑も不足している。
こうした課題に対し、まちづくりの目標として、「多様な人々が働き・訪れ・滞在する、地域環境と調和した地域活力のあるまち」などを設定。目標達成に向けた四つのアクションと整備イメージをまとめた。
各アクションと主な整備イメージは以下の通り。
【アクション1~神田錦町の「核となる拠点」の形成】
▽街区再編・大街区化による地域のにぎわいを創出する拠点の形成
▽エリア回遊軸の結節点としてのゲート機能
▽地域活力を創出する大規模業務機能やにぎわいを創出する商業・宿泊施設などや人々が交流する文化交流施設
▽既存機能の存続、更新
【アクション2~地域の中心となる「大規模広場」の創出】
▽街区再編・大街区化による地域の核となり多様な活動が可能な大規模広場の創出
▽多様な人々が集い・にぎわう交流の場づくり
【アクション3~まちをつなぎ回遊性を高めるウォーカブルなまちづくり】
▽街区内の快適な歩行機能の創出
▽快適な歩行者空間の創出
▽無電柱化による良好な街並みの形成
▽駐車場集約化の検討
▽既存建物の有効利用や機能更新の促進による、周辺のまちと連続するにぎわいの創出
▽日本橋川沿いの歩行者空間拡充・緑化などによる、親水性の高い歩行者空間の整備
【アクション4~環境への配慮や防災性の高いまちづくり】
▽エネルギーの有効利用
▽環境負荷低減の取り組み
▽災害時対応の強化
▽まちの防災性の向上
再開発準備組合
安田不など協力
地区の中央部では、神田錦町三丁目南部東地区市街地再開発準備組合が再開発事業を検討している。事業協力者は安田不動産(千代田区)とUR都市機構。検討エリア内に錦城学園高校や正則学園高校などの文教施設、安田シーケンスタワー、竹橋安田ビル、区の管理施設などが所在する。再開発事業は、首都東京の風格にふさわしい質の高い建築物・外構のデザインに配慮する他、建物の最高高さを、周辺の市街地環境などを踏まえ、地区の環境改善に資する貢献に応じておおむね180㍍以下の範囲で検討。さらに周辺市街地への圧迫感などにも配慮した配置・形態とすることをガイドに盛り込んだ。