都 渋谷川の調節池整備 25年度も検討継続

東京

「渋谷川・古川河川整備計画」より

 東京都建設局は渋谷川の調節池整備に向けて2025年度も検討を継続する。新並木橋~渋谷橋(渋谷区渋谷3丁目~恵比寿1丁目)付近間に計画する容量約22万立方㍍の施設で、既設の古川地下調節池と2カ所で地中接合させることを想定している。検討業務の委託先を決めるため、財務局が9月30日に希望制指名競争入札の手続きを開始した。土木・水系関係調査(取扱品目=河川・水理調査)Aの競争入札参加有資格者から10月3日まで希望申請を受け付けて、同月22日に開札する予定。2026年12月16日までに成果を得て後続の展開に備える。  渋谷川はJR渋谷駅前の新渋谷橋から渋谷区内を流れて天現寺橋の港区界に至る延長2・4㌔。天現寺橋から東京湾に注ぐ港区内の延長4・4㌔は古川となっている。渋谷川・古川として合計延長6・8㌔、流域面積22・8平方㌔の2級河川に指定されている。  19年9月に改定した「渋谷川・古川河川整備計画」に基づいて、渋谷川の新並木橋~渋谷橋付近に新たな調節池を整備する。今回の業務では、河川整備計画で位置付けた22万立方㍍の容量を基本に、気候変動を踏まえた容量の増加を与条件にして検討。本体の基本構造や構成、配置の他、本体の構築に必要な仮設構造物、付帯施設を考える。  また、取水施設の候補地にある駐車場の運用状況などを把握し、仮桟橋を設けて代替地を確保するための検討も行う。   一方、2カ所で地中接合させることを想定している古川地下調節池は、渋谷川・古川の一之橋(港区三田1丁目)から恵比寿橋上流部(渋谷区恵比寿1丁目)にかけての河川下にある。延長3・3㌔、内径7・5㍍の地下トンネル式で、貯留量は13万5000立方㍍。17年度に完成した。  渋谷川の地下調節池整備を巡っては、過去に三水コンサルタント(大阪市北区)や日本インシーク(大阪市中央区)への業務委託を通じて基礎調査を行っていた。また、24年度にウエスコ(岡山市北区)へ「渋谷川・古川流域における気候変動を踏まえた河川整備計画調査」を委託。9月30日までの委託期間で調節池を含めた流域全体の施設配置や河道断面の治水計画などを検討した。