川崎市 給食室への空調設置を検討
神奈川
川崎市教育委員会事務局は、市立学校の給食室への空調設置について、現在2校で実施しているエアコン試験導入の効果を検証し、今後の対応を検討する。川崎市議会第3回定例会で、複数会派の議員からの質問に教育委員会事務局の田中一平教育次長が答えた。
給食室がある市立学校123校のうち、給食室に空調が設置されているのは48校にとどまる。2024年度に実施した給食室の室温調査では、調査対象79校中52校で室温31度以上となっていることを確認。40度を超えた給食室も複数あったという。
6月から施行した改正労働安全衛生規則では、気温31度以上の環境下で連続1時間以上または1日4時間を超える作業に対し、事業者に熱中症対策を義務付けている。
市では、給食室に空調がない久地小学校と富士見台小学校の2校で、短期間で施工できる天井つり下げ型の厨房用エアコンを設置。9月から試験的に運用している。
長谷川智一氏(みらい)は、「空調未設置校にはスポットクーラーが設置されたが、効果は十分ではない」と指摘。つり下げ式スポットクーラーの導入などを求めた。また「給食室に併設する食品庫も高温多湿の環境下にある。全ての食品庫に早急にエアコンを設置するべき」と対応を求めた。
市古次郎氏(共産党)も「増改築の機会に合わせて空調を設置するのでは遅い。2校で実証実験中とのことだが、早急に結果を検証して全ての給食室に空調を設置するべき」と強調した。
質問を受け、田中教育次長は「既設給食室の空調設置は工事期間が課題となるため、増改築を契機として可能な限り対応してきた」と説明。「実証実験の効果を検証しつつ、今後の対応を検討する。食品庫の空調設備についても、各校の状況を踏まえて検討を行う」と答弁した。
工藤礼子氏(公明党)も給食室の空調整備について取り上げ、「早期に効果を検証し、全市展開に向けて取り組みを進めてほしい」と要望した。