横浜市 根岸住宅地区、「文教」を「センターゾーン」に 生活利便施設も誘致
神奈川
横浜市は、根岸住宅地区の跡地利用に関する方向性をまとめた。市立大学付属2病院の再整備を想定していた「文教ゾーン」を「センターゾーン」に改め、市大医学部を核に、研究施設や生活利便施設なども誘致する方針。土地区画整理事業の実施に備えた土地利用計画案を12月ごろ公表し、2026年度以降に都市計画手続きを進める見通しだ。
根岸住宅地区は、中区・南区・磯子区にまたがる面積約43㌶の米軍施設。04年度に日米間で返還方針に合意したのを皮切りに、国が原状回復作業や返還時期の協議などを進めている。
市施行での土地区画整理を実施するため、跡地利用策の検討と環境影響評価手続きを返還前に進めている段階。8月には、環境影響評価の計画段階配慮書をまとめた。
土地区画整理後の跡地利用に関しては、21年3月に策定した「根岸住宅地区跡地利用基本計画」で①文教ゾーン②住宅地等ゾーン③森林公園ゾーン―の三つにゾーニングする方針を示した。
ただ、文教ゾーンで計画されていた市大付属2病院の再整備構想が変更になったことを受けて、4月にサウンディング調査を実施。地権者を含めた地元の意見も踏まえ、新たに土地利用の方向性をまとめて9月30日の市会・基地対策特別委員会に報告した。
それによると、文教ゾーンはセンターゾーンに名称を改める。医療や健康をテーマとしたまちづくりを目指し、市大医学部や、連携した研究施設などを誘致。商業・子育て施設、公園などの立地も促すことで、利便性を向上させ、さまざまな人の交流を生み出したい考え。
住宅地等ゾーンについては、高台からの眺望を生かし、ゆとりある質の高い住宅の整備を誘導する。
森林公園ゾーンでは、隣接する根岸森林公園を拡張。公園内にある一等馬見所の保全・活用事業などと連携して、観光スポットとしても魅力ある憩いの場づくりに取り組む。
これらの方向性を踏まえ、12月ごろに土地利用計画案を策定する予定。返還時期によって変動する可能性があるものの、27年度の都市計画決定、29年度の工事着手を目指すとアセス配慮書に記載している。