都建設局 青山葬儀所の維持管理にBIM初活用

東京

青山葬儀所のイメージパース(提供/東京都建設局)

 東京都建設局は改築中の青山葬儀所が完成した後の維持管理にBIMを活用する。設計段階で作成したBIMデータに改築工事の業種ごとに作成してもらう竣工図を反映させて、BIMプラットホームを構築。修繕の履歴を反映させるなどして維持管理の効率化を図る。同局の所管施設では初の取り組みだ。改築の設計を手掛けた梓設計(大田区)にBIMプラットフォームの構築業務を委託。2027年1月8日までに成果を得て維持管理に役立てていく。  青山葬儀所は港区南青山2ノ33ノ20の現地で鉄筋コンクリート一部鉄骨造平屋2927平方㍍の建物に改築中。佐田建設が建築、東京エネシスが電気、エヴォリューションが給排水、金澤工業が空調、東栄建工が駐車場などの各工事をそれぞれ26年7月までの工期で担当している。26年10月中に供用を開始する予定だ。  建物の維持管理は現在、修繕などに先立って現況を把握する際に工事の業種ごとに作成・提出された紙の竣工図を参考にしている。天井裏などに空調のダクトや電線ケーブルなどが混在している場合、業種ごとの竣工図を用意して見比べながら作業を行う必要がある。  また、小規模な修繕で変えた設備の配置などを竣工図に反映していないため、その後の修繕や改修のたびに竣工図と現場の状況の違いを確認しなければならず、工事などの発注に伴う数量の拾い出しに時間を要している。  そこで維持管理の効率化に向け、梓設計が改築の設計業務で作成したBIMデータをベースにBIMプラットホームを構築することになった。  改築工事の各施工者が今後作成・提出する竣工図を反映させて、建物を構成する部材などの情報を一元的に管理。修繕のたびに履歴を上書きして、常に現場と同じ最新の状況を確認できるようにする。将来的に大規模改修などを実施する際の数量拾いの省力化も可能になるとみている。