愛媛県 中川、猿子川を特定都市河川に指定

四国

中川流域

 愛媛県は、10月1日付で今治市を流れる中川水系の中川と猿子川を特定都市河川に指定した。今後速やかに県・市などで組織する法定協議会を設立し、被害防止・軽減対策を進めるための流域水害対策計画を策定する。また、同計画に基づき、河川整備などのハード対策に加え、宅地造成など雨水浸透阻害行為に対する対策工事の義務付けといった流出抑制対策や、水害リスクを踏まえた土地利用などのソフト対策を活用し、効果的な被害軽減対策を進めていく考えだ。  中川流域を形成する中川水系は、本川の中川(流路延長2・06㌔)と支川の猿子川(流路延長3・83㌔)からなる今治市東部を流れる2級河川。流域の約6割を山地が占めるが、近年では都市化が進む中、水田や湿地などの保水機能を持つ土地が減少し、浸水被害などの対策が課題となっている。  河口部にある猿子川水門の排水能力が低いことに加え、流域内の一部は地盤が低く、潮位が高い条件で出水のピークと重なると水災害が発生しやすくなっている。2023年2月には中川水系の流域治水プロジェクトを策定しているが、河川改修などの抜本的なハード整備は進んでいない課題も指摘されている。こうした中、中川流域を特定都市河川に指定することで、ハード整備や流域内の雨水の流出抑制、貯留機能の保全等の対策を組み合わせ、早期に実効性のある効果的な対策進めることにした。