吹田市 水道施設整備に10年間で367億円 

大阪

用途別管路延長と経年管、耐震管の占める割合

 吹田市は、2026~35年度の10年間で、水道施設整備事業に約367億円を投じる。投資額の内訳は、工事費として浄配水施設整備に約31億円、基幹管路整備に約99億円、経年管整備に約220億円、配水支管新設に約14億円を配分。委託料には約10億円を充てる計画だ。主に、泉浄水所の配水機能を片山浄水所に集約させるための工事や、敷設してからの年数が経った管路の更新事業に費用を充てる。  市は26~35年度を計画期間とする水道事業の基本計画「すいすいビジョン2035」を策定した。35年度に到達する目標として▽浄水施設の耐震化率100%(23年度時点は29・9%)▽配水池の耐震化率93%(同89・2%)▽基幹管路の耐震管率65%(同51・2%)▽応急給水施設55カ所(同45カ所)―などを掲げた。 ■泉浄水所の段階的機能停止を見据えた整備などを実施  浄配水施設の整備には約31億円を投じる。  1963年に建設された泉浄水所(南吹田3ノ3ノ60)は、低地に位置し、常時ポンプ圧送が必要な他、地震による液状化現象のリスクが高いなどのことから、水処理に必要な維持・補修に努めながら浄送配水機能を段階的に停止する。  泉浄水所の機能の停止を見据え、2021年度にリニューアルした片山浄水所(朝日が丘町26ノ10)では、施設能力の増強に必要な地下水源をくみ上げる新たな井戸を構内外に3カ所掘削する他、井戸水源とともにろ過膜を増設するため、膜処理施設増設に係る機械・電気工事を計画。また、配水池の耐震化、施設情報のDXなどに取り組む。  水道管の更新・耐震化を含む管路整備事業の総事業費は約333億円。このうち基幹管路整備には約99億円を充て、南金田や垂水町、豊津町など市内南部地域の配水本管の耐震化などを実施する。泉配水所を大阪広域企業団の受水へ段階的に切り替えるため、長寿命化を図りながら企業団の千里幹線南千里分岐と片山浄水所を結ぶ送水管を新設・耐震化することで、受水量の増量と南部地域への安定供給を図る。26年度以降は、先行施工した片山工区に続き、南千里工区の複線化と耐震化を進めていく。 ■経年管更新に年間約22億円  経年管更新工事には10年間で約220億円を充てる。現行計画に引き続き、年間8㌔の更新ペースを基本とし配水支管を主とする経年管を更新・耐震化する。総管路延長741・6㌔のうち、法定耐用年数の40年を超過している管延長は289・8㌔で、全体の耐震化率は26・7%(23年度末時点)=表参照。  対象管路が持つ給水人口や地震被害率、重要給水施設などから総合的に評価し、優先度の高い路線から実施する。