都内民間 2四半期最大は新秩父宮ラグビー
東京
2025年度第2四半期(7~9月)に東京都と都内市町村に提出された民間大規模建築計画(延べ床面積1万平方㍍以上)は12件あった。総延べ床面積は33万7683平方㍍だった=表参照。24年度第2四半期と比べると、件数は8件減り、総延べ床面積も58・9%減少した。最大物件は「新秩父宮ラグビー場(仮称)整備・運営等事業新築計画」で、延べ床面積は7万2500平方㍍。設計は鹿島(港区)と松田平田設計(港区)による設計JV、施工は鹿島が担当する。(建通新聞社調査)
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新秩父宮ラグビー場整備は神宮外苑地区の再開発エリアに位置。年内に解体工事が完了する神宮第二球場の跡地に新築する。規模は鉄筋コンクリート一部コンクリート充填(じゅうてん)鋼管造・鉄骨造地下1階地上8階建て延べ7万2500平方㍍。29年11月下旬の完成を目指す。
DPL町田、大和
ハウスが自社設計
多摩地区の物件は4件あり、最大物件となる倉庫「(仮)DPL町田」の事業主は大和ハウス工業東京本店(千代田区)。設計も自社で担当。規模は鉄筋コンクリート造・鉄骨造5階建て延べ3万0690平方㍍。三信住建(中央区)など5社は「(仮)立川市富士見町6丁目プロジェクト」を計画。設計をプラスデコ(渋谷区)が担当する。規模は鉄筋コンクリート造8階建て延べ1万7388平方㍍で、用途は共同住宅。
日機装(渋谷区)は東村山市内の技術研究所を増築する。設計は日建設計(千代田区)、施工は前田建設工業(千代田区)が担当。規模は鉄骨一部鉄筋コンクリート造地下1階地上4階建て延べ1万0571平方㍍。武蔵野大学は武蔵野キャンパスの大学図書館を建て替える。設計は松田平田設計、施工を松井建設(中央区)で進めており、29年2月末の完成を見込む。規模は鉄骨一部鉄筋コンクリート造6階建て延べ1万0300平方㍍。
板橋駅西口再開発
設計はRIAなど
組合施行による再開発事業は1件。「板橋駅西口地区第1種市街地再開発事業施設建築物A街区」は、設計をアール・アイ・エー(港区)と西松建設(港区)の設計JVが担う。26年7月中旬の着工を予定している。規模は鉄筋コンクリート造地下2階地上37階建て延べ4万4352平方㍍。
東京工科大
蒲田に新校舎
教育関連施設は2件あり、武蔵野大学の図書館建て替えの他、片柳学園(大田区)が「東京工科大学蒲田キャンパスリバーサイド新校舎建設1期」を計画している。施工を大林組(港区)に依頼し26年1月初旬にも着手する。設計は久米設計(江東区)と大林組の設計JV。規模は鉄骨造9階建て延べ1万1000平方㍍。
NTT都市開発
荻窪に共同住宅
用途別で共同住宅は5件あった。NTT都市開発(千代田区)は、「(仮)杉並区荻窪五丁目計画」を新築する。設計は鉄建建設一級建築士事務所(千代田区)。規模は鉄筋コンクリート造地下1階地上16階建て延べ1万3404平方㍍。
日建設計、イクス
など設計を受託
設計担当を見ると、松田平田設計が新秩父宮ラグビー場など2件、久米設計が東京工科大を担当。アール・アイ・エーは板橋駅西口地区再開発A街区の他に、「(仮)千住大川端C-2地区計画」を長谷工コーポレーション(港区)と共同で手掛ける。事業主は三井不動産レジデンシャル(中央区)。規模は鉄筋コンクリート造34階建て延べ5万9973平方㍍。用途は共同住宅、保育所、店舗とする。
日建設計は日機装技術研究所に加え、芝公園四丁目再開発事業法人(港区)が進める「(仮)芝公園B敷地計画」を担当。用途はデータセンター、事務所。規模は鉄骨一部鉄筋コンクリート造地下4階地上6階建て延べ2万7586平方㍍となる。
「(仮)葛飾区西新小岩4丁目計画」はイクス・アーク都市設計(新宿区)が設計している。事業主は明和地所(渋谷区)。規模は鉄筋コンクリート造13階建て延べ1万1921平方㍍で、用途は共同住宅。
施工で鹿島が2件
中外製薬で研究棟
施工担当では、鹿島が2件受注している。「中外製薬浮間事業所研究棟(UKX)」は設計も同社が担当。規模は鉄骨造7階建て延べ2万7998平方㍍で、26年5月初旬に着工し、完成は28年8月初旬を見込む。
共同住宅5件、
教育関連2件など
用途別に分けると、共同住宅は5件。教育関連施設と事務所が各2件、スポーツ施設と倉庫、その他が1件ずつあった。
建設エリアは新宿区、港区、大田区、杉並区、北区、板橋区、足立区、葛飾区、西東京市、東村山市、立川市、町田市がいずれも1件だった。