公共土木の「4週8休」7割で 民間建築との間に大きな差 全建会員企業
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全国建設業協会(全建、今井雅則会長)のアンケート調査によると、2024年度の現場の週休日を「4週8休」と回答した会員企業は、公共土木で69・6%となった一方、民間建築では48・3%にとどまった=グラフ参照。公共工事で週休2日の定着が進む一方、民間工事への浸透が依然として課題だ。現場で勤務する社員の平均残業時間は、月15時間未満が69・5%を占め、労働基準法の原則である月45時間を下回る企業が大半を占めた。
労働環境について聞く毎年度のアンケート調査に、会員企業1933社が回答した。時間外労働の上限規制が適用された24年4月以降、初めての調査で、今回から公共土木・民間土木・公共建築・民間建築に細分化して現場の週休日について聞いた。前回調査では、週休日を4週8休と回答した会員企業は43・3%と半数に満たなかった。
調査結果によると、いずれの現場でも4週8休と回答する会員企業が最も多くなったものの、公共・民間の差は依然として大きかった。4週8休と回答した会員企業の割合は、公共土木が69・6%と最も高く、公共建築の60・7%が続いた。民間土木は59・7%と大きな差はないが、民間建築は48・3%と半数を下回った。
時間外労働を削減した会員企業に対し、削減後の課題を聞いたところ、「人手不足」を感じた企業が54・3%と最多だった。「工期の圧迫」の28・5%、「人件費の増加」の26・1%が続いた。4週8休の達成に向けて必要なこととしては、「職員の意識向上」を挙げた企業が72・8%と最も多く、次いで「施工の効率化」の63・4%が多かった。
現場の月当たりの平均残業時間が「15時間未満」との回答が69・5%(前年度比5・5ポイント増)を占めた。「16~30時間」が21・9%(2・1ポイント減)、「31~45時間」が7・8%となり、時間外労働が月45時間を上回っている企業は全体の0・8%にとどまった。
この他、時間外労働の上限に特例を設ける労働基準法第33条の適用申請・事後届出の実績があった企業は全体の8・9%と前年度の調査より3・0ポイント上昇した。申請内容は、災害の復旧工事が80・3%、除雪業務が33・5%、鳥インフルエンザなどの貿易業務が4・6%だった(複数回答)。