工事契約の注文書・請書 継続的取引で押印不要に
中央
国土交通省は、建設工事の請負契約で、反復・継続的な取引実績の蓄積や、当事者間の対等なパートナーシップの確認といった要件を満たしたとき、基本契約書に基づく個別の注文書・請書への押印を不要とする。9月30日付で都道府県に不動産・建設経済局建設業課長名で通知した。
建設業法は、請負契約の当事者に対し、署名または記名押印した契約書を相互に交わす義務を課している。契約書の作成・締結の主体の明確化、契約内容の理解促進を目的としている。
ただし、デベロッパーと建設業者、元請けと下請けなどの間で、継続的な工事発注がある際、あらかじめ基本契約書を締結し、具体的な取引内容は注文書と請書で規定することも認められている。
政府の規制改革会議は、個別の注文書・請書について、押印を省略できるよう対応を求めていた。契約手続きに伴う負担の軽減や、生産性の向上につなげるとしている。
署名・押印の省略に当たっては、要件として▽注文者が消費者契約法上の「消費者」でない▽基本契約書の締結時に、注文者と請負者、元請けと下請けがそれぞれ対等なパートナーシップの関係にあることを確認する▽基本契約書の締結時に当事者の間で反復的・継続的な取引実績の蓄積を確認する―ことなどを求めている。
契約金額や工期によっては、押印を希望する事業者もあると考えられる。そこで、注文者と請負者の双方の合意があれば、署名や記名による押印についても認めることとした。