建築物のCO2排出評価 用途・規模、段階的に拡大

四国
 国土交通省は、建築物の建設から解体までに排出されるCO2(LCCO2)の評価・届け出制度の新設に向けた有識者検討会を開き、制度の対象となる建築物の段階的な拡大に関する考えを示した。2028年度からは、延べ床面積5000平方㍍以上の事務所などの新築時にLCCO2の評価・届け出を求める予定としており、制度開始から5年以内をめどに対象とする対象の用途・規模を拡大する。  9月30日に開催した「建築物のライフサイクルカーボンの算定・評価等を促進する制度に関する検討会」の第6回会合で、中間報告案としてこの考えを示した。  LCCO2の削減に向けては、延べ床面積5000平方㍍以上の事務所などを対象として、評価・届出制度を28年度から開始する。評価の実施が一般化する30年代からは、届出の対象用途や規模の拡大の他、建築主にLCCO2の削減を義務付ける。今回の会合では、届出対象の拡大時期の詳細を示した形だ。  LCCO2削減に対する支援措置の必要性についても、中間報告案に盛り込んだ。これまでは、LCCO2の評価に支援や、建材や設備から排出されるCO2排出量の原単位整備に向けた支援を実施するとの記述にとどまっていた。中間報告案では、評価・届出の対象を拡充する時期から、LCCO2削減に関する支援も検討するとした。  CO2排出量の原単位については、28年度の整備開始以降に整備状況を毎年度モニタリングすべきとした。原単位の整備は、27年度までに、算定に大きく影響する主要建材(鉄骨、鉄筋、コンクリート、木材など)のデータを整備する考え。その後にLCCO2が少ない内装材などのデータを順次整える見通しだ。  LCCO2の評価に当たっては、適切に評価できる人材や体制が不十分であることが課題とした。そこで中間報告案には、環境負荷低減を意識した建築が可能な設計者や施工者の育成が必要とまとめた。