育成就労制度 受入企業に協議会加入義務 JAC所属企業は免除 

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 技能実習に代わる新たな外国人就労者受け入れの制度「育成就労」の2027年4月開始を見据え、建設分野における対応の方向性がおおむねまとまった。育成就労の在留資格で働く外国人を受け入れる企業に対しては、原則として建設分野の協議会への加入を義務付けるとした一方、建設技能人材機構(JAC)に所属している企業に対しては加入義務を免除する方向だ。  育成就労法施行規則では、受け入れ企業に対して産業分野別の協議会への加入を原則として義務付けている。技能実習でこうした義務は設けておらず、既存の「建設分野技能実習に関する事業協議会」にも加入義務はない。育成就労で加入義務を課すのは、制度変更の周知や法令順守の啓発、人手不足状況の把握、大都市圏への就労者の集中対策を強化する狙いがある。  協議会への加入に代わる措置を分野別に講じることも認めており、国交省は建設分野での対応を有識者検討会で協議してきた。既に、特定技能外国人を受け入れる建設企業に対しては、JACへの所属を義務化している。こうした企業に育成就労の分野別協議会にも加入させるのは負担が大きいとの声もあり、JAC所属企業には加入義務を免除することにした。  育成就労外国人のみを受け入れる企業が加入する建設分野の協議会は、国交省が事務局となり、会費などは求めない方向だ。制度面での周知や情報発信の場とし、JACのような特別教育や技能講習、日本語講座といった独自の受け入れ支援サービスは実施しないものと見られる。  この他、主な建設分野における制度上の対応を見ると、転籍を制限できる期間は「2年」とし、将来的に1年を目指す。受け入れ企業が1年超の転籍制限を選んだ場合に講じる外国人の待遇向上策は、建設業における前年の平均賃金の上昇率以上の昇給率を義務付ける方向で検討を進める。  外国人が転籍に当たって求められる日本語要件としては、「日本語能力のA1相当とA2相当の間」とし、厚生労働省と出入国管理庁による分野横断での制度整備の動向を踏まえて判断する。  建設分野で独自に設定する「上乗せ措置」は、現行の技能実習を踏襲する。受け入れ企業には建設業許可と建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者登録、外国人の処遇では月給制とCCUS技能者登録を求める。受け入れの人数枠は常勤職員以下とする。