後楽二丁目南地区の再開発 27年度に解体から工事

東京

南西方向から見たイメージパース

 後楽二丁目南地区(文京区)の市街地再開発事業を計画する準備組合は、延べ床面積約27万9000平方㍍の施設建築物などの整備に向け、2027年度に既存施設の解体から工事をスタートさせて、34年度の竣工を目指す。事業計画の具体化を受け、東京都が同地区を「再開発等促進区を定める地区計画」の区域に加える形で都市計画変更し、整備の前提となる容積率や建ぺい率などを規定する。26年1月の文京区都市計画審議会や同年2月の都都市計画審議会を経て、同年3月に決定告示する見通しだ。  再開発の事業区域は文京区後楽2ノ1~2の面積約2万0029平方㍍。複数路線が乗り入れる飯田橋駅の近接に位置し、神田川や目白通り、外堀通りに囲まれている場所だ。  旧耐震マンションを含んだ建物の老朽化や、水害ハザードマップで想定されている浸水などの課題に対応するため、関係者が準備組合を立ち上げて再開発を検討してきた。住友不動産と区域内に本社を構える五洋建設が事業協力者を務めている。  整備する施設建築物の規模は地下1階地上34階建て延べ床面積約27万9000平方㍍。最高高さ170㍍の高層部(事務所・住宅)と低層部(事務所・住宅)で構成し、地下には駐車場を置く。JR飯田橋駅とビルをつなぐ歩行者デッキを新設したり、水害時に対応できるデッキレベルの一時滞在施設(面積約1900平方㍍)を設けたりする。また、広場や歩道状空地、歩行者通路などを配置して、合計面積約8000平方㍍の地域に開かれたオープンスペースを確保する。  一方、再開発等促進区を定める地区計画は、都が1992年に「後楽二丁目地区」として都市計画決定。約4㌶の区域内で2000年に東地区、10年に西地区でそれぞれ再開発ビルが竣工した。  この都市計画を変更し、再開発の事業計画が具体化した南地区の約2・6㌶を加えることで、地区計画の範囲を約6・6㌶に広げる。  南地区に関しては容積率の最高限度を1150%、建ぺい率の最高限度を80%などと規定する。また、地区計画の目標に文京区の都市マスタープラン(24年9月見直し)や後楽二丁目まちづくり整備指針(21年8月改定)の内容を追記。整備方針には都が飯田橋駅周辺基盤整備計画(7月策定)で示した歩行者デッキの整備や歩行者ネットワークの創出などの他、災害時に帰宅困難者の受け入れが可能な一時滞在施設の整備を加える。