愛媛県土木部 西条市でICT活用工事トップセミナーを開催 10月20日、11月26日にも開催へ

四国

西条市で開かれたICT活用工事トップセミナーのうち、3Dマシンコントロール(自動旋回)の実演を見学する参加者

 愛媛県土木部は10月7日、西条市石田他の(二)中山川水系中山川総合流域防災工事(藤岡建設施工)の現場で「県ICT活用工事トップセミナー」を開いた。東予地域の建設企業や県・市の技術職員などを中心に総勢130人余りが参加し、現場でのICT施工の導入事例やその効果を学んだ=写真。  冒頭、主催者を代表して土木管理課技術企画室の石川雄一郎主幹が、県のICT施工について「土木部では2024年度に受注者希望型も含めて131件のICT工事が実施された」と報告。また、「昨年10月からは小規模土工や舗装修繕工を対象工事に追加するなど、ICTの普及促進に努めている」とした上で、「県として継続的・安定的な予算や工事量の確保とともに、建設現場の生産性向上と働き方改革に積極的に取り組んでいる」とし、参加者にICT技術の積極的な活用を呼び掛けた。  続いて、施工を担う藤岡建設から藤岡優一氏(管理統括)と宮原直則氏(工務部課長)の2人が「ICT施工の理想と現実」と題して取り組み事例を紹介。20年からICT施工に取り組んでいる同社では、ICT施工導入の効果として、作業効率化、省力化、工期短縮、コスト削減、若手の早期戦力化、発注者からの評価アップを挙げた。一方で3次元データ作成の難しさ、機器導入コストの高さ、人材育成の課題などさまざまな壁にも直面しているとした。藤岡氏は「ICTはあくまでも道具であり手段である」と位置付け、土木の基礎知識をベースにしながら新技術を活用することの重要性を説いた。  ICT建設機械などの紹介では、同現場でのICT施工をサポートするコマツカスタマーサポートの職員が、具体的な取り組み内容、実施効果などを現場見学も踏まえながら説明。参加者は4班に分かれて「3Dマシンコントロール(自動旋回)」「ダンプ積載管理システム」「チルトローテーター」「ダンプ運行管理システム」の実演見学やモニターによる説明を受けた。  同セミナーは、24年度に引き続き25年度も県内3会場で開催。今月20日には八幡浜市郷の「(国)197号地域高規格道路整備工事」、11月26日には久万高原町菅生の「(一)仁淀川水系今戸川通常防災工事」の各現場でそれぞれ午後1時30分から開く予定。