1級1次技術検定の受験者1.4%増 「学歴・経験不問」効果続く
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7種目ある1級施工管理技術検定で、2025年度に行われた第1次検定の結果が出そろい、受験者数は前年度から1・4%増の15万2413人となった。学歴・実務経験を不問にして受験者数を大幅に増やした24年度からさらに増加し、受験者の〝先食い〟による反動減への懸念を制度改正2年目としては、払しょくできた形だ。種目別では建築、電気、管、電気通信が増加した一方、土木と造園、建設機械は減少した。
技術検定の受験者数が約20年間にわたって減少・横ばい傾向が続いたことを受け、24年度からは19歳以上であれば学歴・実務経験を問わず受験資格を認められるようになった。これを受け、受験者数は24年度に51・0%と大幅に増加。これまで受験要件を満たしていなかった若い世代が一挙に受験するため、25年度以降は受験者数の増は収束するとの懸念もあったが、引き続き制度改正が効果を発揮した形だ。
種目別に見ると、増減の傾向は分かれた。建築が11・1%増、電気が3・7%増、、管が2・5%増、電気通信が7・7%増と増加した一方、土木は6・8%減、造園は4・7%減、建設機械は16・0%減となった。ただし、建設機械を除いてはいずれも、制度改正前の23年度の水準を上回っている。
合格者数は、7種目全体で見ると9・1%増の6万8554人で、受験者数を上回る伸び率となった。種目別では、建築が49・0%増、電気が17・1%増、電気通信が84・0%増となり、全体をけん引した。土木は9・5%減、管は24・1%減、建設機械は32・0%減だった。
種目別に見ても、若い世代が引き続き積極的に受験し、合格している状況が明らかになった。例えば土木では、19~24歳の若年層が合格者に占める割合が18・1%となり、24年度から1・0ポイント上昇。管工事も、合格者数のうち24歳以下の若年層が10・9%を占め、前年度から2・9ポイント増加した。
1級1次検定に合格すれば、監理技術者を補佐する立場の「技士補」となることができる。見直し後の制度では、「監理技術者補佐としての実務経験1年以上」を積むことで、1級第2次検定の受験資格を得ることができる。建設企業にとっては、若手に早期に1級第1次検定に合格してもらうことが、人材育成のスピードを早めることにつながる。
既に技術者の3分の1が60歳以上となるなど、建設技術者の高齢化は深刻だ。若手の安定的な採用・定着を実現する上でも、技術検定の受験者数・合格者数が引き続き高い水準を保つことが期待される。