明日の星㊷ 森トラスト 黒川 悠太郎(くろかわ・ゆうたろう)さん
東京
都心の大型複合開発や観光地でのホテル・リゾート開発などを手掛ける森トラスト(港区)。入社3年目を迎える黒川悠太郎さんは、所属するコンストラクションマネジメント部で物件の新築・改修や企画設計など、建物のハード面に関わる業務を担当している。昨年度リニューアルオープンした軽井沢を代表するクラシックホテルの大規模改修に、入社直後から携わったという黒川さん。当時の話や今後の展望を聞いた。
―入社の動機は。
「大学で建築を学んでいたため、それを生かせることができ、なおかつ『こだわり』をもって取り組める仕事をしたいと思い、不動産会社やゼネコン、設計事務所などの採用試験を受けていた。その中でも当社は、デベロッパーという立場から物事を決めて空間づくりに携わるだけでなく、ホテルブランドや自社のこだわりを空間に反映させることができる点に魅力を感じ、入社を決めた」
―これまで携わった物件は。
「万平ホテルの創業130周年記念事業として実施した大規模改修工事に、入社1年目から従事した。複数ある建物のうち、碓氷館の建築工事の進行状況などを施工者、設計者と共に確認した。前任者から引き継いだ案件のため基本的な内装の仕様は既に固まっていたが、家具や備品(FFE)などの仕様は私が主体となって決めた。万平ホテルらしさを残しつつ、国際水準のホテルとして他と遜色ない仕様に仕上げた。既存部を残しながらの改修ということもあり、家具を実際に搬入すると電気プラグやサイドテーブルの規格が合わなかったりと、工期が迫る中で当初の計画にない問題が発生した。そのたびに家具業者や設計者、ゼネコンと調整を繰り返した。大変ながらも、チームで協力して課題を乗り越えることにやりがいと達成感を覚えた」
―プライベートでのこだわりはあるか。
「趣味でギターを弾いており、音を作る際の弦の太さやエフェクターの調整にはかなりこだわる。小学校時代の友人と成人式で再会したのをきっかけにバンドを組んでいて、定期的にライブにも出演している」
―今後の目標を教えてほしい。
「現在は万平ホテルのリニューアル後のフォローに加え、地方ホテルと都心ビルの開発に携わっている。初めて計画段階から携わるプロジェクトのため、責任をもってやり遂げ、無事に竣工する瞬間まで見届けたい」
(東京支局=田中舞花)
