技能実習計画の新規認定、インドネシアが初めて最多に

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 外国人技能実習機構(OTIT)は、2024年度の技能実習計画の認定状況をまとめた。建設関係の新規認定7万9942件を国籍別に見ると、インドネシアが3万2053件となり、技能実習制度の開始以来、初めて最多となった。これまで最多だったベトナムは2万4490件で2番目。インドネシアは国外への人材送り出しに積極的で、日本の建設業がこうした人材を引き続き獲得できるかが注目される。  技能実習計画は、技能実習生ごとに受け入れ企業が作成し、OTITの認定を受けるもの。実習内容や待遇を示し、技能実習の適切な体制を確保する仕組みとなっている。  建設関係の技能実習計画の新規認定状況を国籍別に見ると、ベトナムは制度を開始した17年度から23年度まで継続して最多だった。ただし、ピークは19年度の4万7457件で、コロナ禍で落ち込んだ後も大きくは回復しなかった。24年度は2万4490件で、全体に占める割合は30・6%となっている。  前年度と比べると19・4%減少した。計画の新規認定が頭打ちとなっている背景には、同国内での産業の成熟や、それに伴う賃金水準の上昇を指摘する声もある。  インドネシアは制度開始当初、ベトナムだけでなく中国やフィリピンよりも少なかったが、22年度から急増している。24年度には3万2053件の新規認定を受け、全体の40・1%を占めた。  前年度との比較では17・2%の増加となる。インドネシアは国民の半数以上が15歳~32歳と若年層の人口が占める割合が大きく、相対的に失業率も高い。国内産業の働き口が不足する中、海外への人材送り出しにも前向きだ。24年度の技能実習計画の新規認定分を見ると、職種別では建設関係が38・5%を占めて最多となるなど、建設分野への関心も高い。  現地の送り出し機関などによると、インドネシアでは建設業が危険だとのイメージも根強い。こうした懸念を払しょくし、同国に比べて高い処遇の水準を発信することで、持続的に日本での就労を希望する人材を確保できるかが今後の課題となりそうだ。  この他の国の状況を見ると、ベトナムに次いでフィリピンが8140件と多く、以下、ミャンマーが5547件、カンボジアが2893件、中国が1964件で続いた。直近2~3年ではフィリピンが安定して多く、ミャンマーやカンボジアも増加傾向にある。一方、技能実習制度の開始当初に大きな割合を占めた中国の新規認定件数はコロナ禍以降、減少から横ばいとなっている。