都 動物愛護C本所を移転改築 最大延べ4千m2想定

東京

現在の建物

 東京都は世田谷区にある動物愛護相談センターの本所を移転改築する。移転先は明らかにしていないものの、新施設の敷地面積と延べ床面積をそれぞれ最大約4000平方㍍と想定。長大(中央区)に業務を委託して基本計画を検討中だ。2025年度末に移転先などを含む基本計画を策定・公表して後続の設計につなげる。  動物愛護相談センターの本所は世田谷区八幡山2ノ9ノ11(敷地面積1024平方㍍)に立地。動物愛護管理施策の中核を担う施設として、飼い主への普及啓発や相談対応、保護した動物の飼養管理・譲渡、動物取扱業の監視指導、動物由来の感染症対策などを行っている。  業務棟(延べ床面積469平方㍍、1974年完成)と事務棟(同369平方㍍、90年完成)に事務室や会議室、犬舎、猫舎、医務室、更衣室などを配している。5台分の駐車場や広場(33平方㍍)も設けている。  城南島出張所(大田区、83年完成)、多摩支所(日野市、84年完成)とで合計3カ所ある動物愛護相談センターのうち最も古く老朽化が進行。アクセスが悪く、施設も手狭になっていることから移転改築で対応する。  これまでのネガティブなイメージを刷新し、都民が気軽に立ち寄れ、交流を促進できるような施設にする。また、開設時に多かった野良犬が減り、相対的に猫の保護が多くなっている実情を踏まえて猫舎を増やす。可能な限り1匹1匹で個別の管理スペースを確保する他、屋外にふれあい広場を新設する。  都は2024年3月に「人と動物との共生推進拠点整備基本計画(第一次)」を策定。本所、城南島出張所、多摩支所のそれぞれで整備パターンなどを示していた。25年度末にも「第二次」の基本計画を策定し、本所の移転先や具体的な施設規模などを盛り込む考え。本所と同様に老朽化が進んでいる城南島出張所と多摩支所についても、改築や改修といった整備の方向性を打つ出す可能性がある。  本所の移転改築を巡っては都議会でも質疑が交わされた。9月30日の本会議で東村邦浩氏(公明党)が今後の展開を尋ねたのに対し、小池百合子知事は「本年度末の基本計画策定を目指し、検討を進めている」と状況を説明。併せて「都民に開かれ、より親しみやすい施設として整備する」との方針を伝えた。