1週間のニュース(10月6日~10日配信)
中央
■10月6日(月)
▽公共土木の「4週8休」7割で 民間建築との間に大きな差 全建会員企業
全国建設業協会(全建、今井雅則会長)のアンケート調査によると、2024年度の現場の週休日を「4週8休」と回答した会員企業は、公共土木で69・6%となった一方、民間建築では48・3%にとどまった。公共工事で週休2日の定着が進む一方、民間工事への浸透が依然として課題だ。現場で勤務する社員の平均残業時間は、月15時間未満が69・5%を占め、労働基準法の原則である月45時間を下回る企業が大半を占めた。
▽地整に「技術支援組織」 新技術を発注書類に反映
国土交通省は、地方整備局ごとに直轄工事での新技術導入をサポートする「技術支援組織」を構築する。人工知能(AI)やデジタル分野の最新技術を直轄工事に速やかに取り込むため、出先事務所からの依頼を受けて現地の課題に応じた工法を抽出し、発注書類に反映させる。新たな技術基本計画の骨子案に盛り込んだ。
■10月7日(火)
▽育成就労制度 受入企業に協議会加入義務 JAC所属企業は免除
技能実習に代わる新たな外国人就労者受け入れの制度「育成就労」の2027年4月開始を見据え、建設分野における対応の方向性がおおむねまとまった。育成就労の在留資格で働く外国人を受け入れる企業に対しては、原則として建設分野の協議会への加入を義務付けるとした一方、建設技能人材機構(JAC)に所属している企業に対しては加入義務を免除する方向だ。
▽特定技能の規定違反に罰則 社名公表、新規受入れ停止も
国土交通省は、特定技能外国人の受け入れに当たって守らなければならないルールに反した建設企業に対し、罰則の新設を検討する。受け入れ計画の認定取り消し以外にも、社名の公表や、新規の特定技能1号外国人の受け入れ停止といったペナルティーを設ける方向だ。
■10月8日(水)
▽全建 地域懇・ブロック会議スタート 建設業の残業規制緩和を
全国建設業協会(全建、今井雅則会長)の都道府県協会と国土交通省幹部が意見交換する2025年度地域懇談会・地方ブロック会議が、10月8日の関東甲信越ブロックからスタートした。10都県の協会長らが都内に集まり、公共事業予算の拡充、第3次担い手3法の徹底などを求めた。今夏の記録的な気温上昇も踏まえ、時間外労働の上限規制を緩和することも要望した。
▽下水道管路メンテナンスへの新技術導入 25年度内にロードマップ
国土交通省は10月8日、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故を受けた「下水道管路メンテナンス技術の高度化・実用化推進会議」の初会合を開いた。地方自治体が実施する管路内調査の無人化・省人化に向けて、年度内にロードマップをまとめる考えを示した。
■10月9日(木)
▽1級1次技術検定の受験者1.4%増 「学歴・経験不問」効果続く
7種目ある1級施工管理技術検定で、2025年度に行われた第1次検定の結果が出そろい、受験者数は前年度から1・4%増の15万2413人となった。学歴・実務経験を不問にして受験者数を大幅に増やした24年度からさらに増加し、受験者の〝先食い〟による反動減への懸念を制度改正2年目としては、払しょくできた形だ。種目別では建築、電気、管、電気通信が増加した一方、土木と造園、建設機械は減少した。
▽技能実習計画の新規認定、インドネシアが初めて最多に
外国人技能実習機構(OTIT)は、2024年度の技能実習計画の認定状況をまとめた。建設関係の新規認定7万9942件を国籍別に見ると、インドネシアが3万2053件となり、技能実習制度の開始以来、初めて最多となった。これまで最多だったベトナムは2万4490件で2番目。インドネシアは国外への人材送り出しに積極的で、日本の建設業がこうした人材を引き続き獲得できるかが注目される。
■10月10日(金)
▽経審、技術者情報と連携 入札参加資格審査申請の共通化
総務省は、全国の地方自治体の入札参加資格申請の共通化・デジタル化に向け、建設工事と測量・建設コンサルタントの共通・選択申請項目案を提示した。項目案には、自治体が申請・提出を求めるか任意に決定できる「選択申請項目」に技術者情報を盛り込み、技術者の氏名や保有資格を技術職員名簿にまとめ、提出を求める方針だ。技術者情報データと経営事項審査と連携し、申請時の負担軽減も検討する。
▽トランプ関税影響も設備投資堅調、2026年度の建設投資は5.3%増に
建設経済研究所と経済調査会は、2026年度の建設投資を名目値ベースで前年度比5・3%増の80兆7300億円、15年度を基準とした実質値ベースで3・2%増の60兆0432億円とする予測をまとめた。第1次国土強靱化実施中期計画に基づく対策で政府分野投資の大幅な拡大が見込まれる。加えて、米国の関税が影響しつつも民間非住宅の設備投資は全体として堅調だとし、増加を見込んだ。