藤田観光 箱根小涌園の新棟建設 設計は清水建設

神奈川

半露天風呂付きの客室40室を増室する

 【箱根】藤田観光(東京都文京区関口2ノ10ノ8)は、「箱根ホテル小涌園」の新棟建設工事の設計を清水建設商業・宿泊施設設計部(東京都中央区)に委託した。半露天風呂付きの客室40室を増室し、インバウンドの集客につなげる考え。今後施工者を確定し、12月の着工、2027年6月末の完成を目指す。投資予定額は38億円。  新棟の規模は6階建て延べ2159平方㍍。半露天風呂付きの客室40室を整備する。また、増室に伴い既存棟1階にあるレストランにはテラススペースを設けて面積を拡張する。  「箱根ホテル小涌園」は、建て替えにより23年7月にリニューアルオープンした。近年は外国人観光客の需要が拡大。インバウンド比率は25年度上半期(3~8月)に前年度同期比プラス7・2ポイントの25・2%となり、客室単価を押し上げる要因となっている。  一方でインバウンドから、よりプライベートな空間で温泉を楽しみたいという声が上がっていた。全室に温泉露天風呂を設け、インバウンド比率が50%前後の「箱根ホテル小涌園天悠」の業績が好調なことも踏まえ、小涌園でも新棟の増築により半露天風呂付き客室を増やすことを決めた。  「箱根ホテル小涌園」の所在地は箱根町小涌谷字小涌谷493ノ4他の敷地3万9146平方㍍。増築部分の建築面積には767平方㍍を充てる。  24~28年を対象とする中期経営計画では、箱根小涌園エリアを中心とするリゾート事業で28年の売上高目標を23年実績比33億円増の117億円に設定。ホテル「箱根ホテル小涌園」「箱根ホテル小涌園天悠」や温浴施設「箱根小涌園ユネッサン」などで構成する約80㌶の箱根小涌園エリアには遊休地が点在しており、さらなる開発を進める方針を示した。  今回の「箱根ホテル小涌園」増築以外にも眺望スポットの造成や遊歩道の整備、新規出店の検討などを推進。27年に開業10周年を迎える「箱根ホテル小涌園天悠」についても付加価値を与える投資を行う予定だ。