山本諭氏(やまもと・さとし=東京都建設局第四建設事務所長)

東京
 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた選手村の整備に、16年度から2年間従事した。多様な事業主体が同時期に工事を進める輻輳した現場状況の中、住宅棟21棟、商業棟1棟の全体工程の調整や進捗管理に注力した。「限られた時間の中で、プロジェクトを軌道に乗せられるかにかかっていた。公民問わず皆が同じ目標に向かって取り組む雰囲気が生まれ、技術者冥利に尽きる仕事だった」と振り返る。  次に配属された中央卸売市場では、豊洲市場開場に先立つ追加対策工事を担当。「社会的注目度の高い事業のため、一つ一つの説明が行政の信頼を左右する。誠実な対応の積み重ねと冷静な危機管理の重要性を、身をもって学んだ」。  21年度以降は出身局の建設局に戻り、鉄道関連事業課長、街路課長、計画課長として道路建設部の業務を幅広く経験。「道路建設部の課長になりたい思いが強かったため、3ポストも経験させてもらえたのは非常にうれしかった」。街路課長時代には、環状第2号線や環状第5の1号線(千駄ヶ谷)など、長期にわたって事業を進めてきた都市計画道路の全線開通に数多く立ち会った。「全線開通は先人たちが積み重ねてきたたゆまぬ努力の成果。開通記念式典ではその思いを胸に臨んだ」。  第四建設事務所長に就任後、自身の発案でDX推進に向けた若手職員との意見交換を重ねるなど、次代を担う人材の育成にも尽力している。「道路や河川といった社会基盤は、都市の高度な活動を支える土台。安全で快適な都市環境を守るべく、現場の視点を大切に、地道に取り組んでいきたい」と意欲を示す。 【略歴】1999年東京都西多摩建設事務所採用。知事本局政策課課長補佐、都市整備局選手村基盤整備課長、建設局道路建設部計画課長などを経て4月から現職。50歳。岐阜市出身。