都 味スタで大規模改修など検討 面積約24万m2が対象
東京
複数施設の整備方針をまとめる
東京都は、味の素スタジアム(調布市)の大規模改修や改築などに向けた検討を開始する。経年劣化に対応するため、観客数5万人規模の味の素スタジアムをはじめ、二つの競技場やにぎわい施設、フットサル施設などがある面積約24万平方㍍の敷地を対象に整備方針をまとめる。財務局の「第三次主要施設10か年維持更新計画」(2022年3月策定)では、28~31年度(第3期)で設計に着手する施設に位置付けているものの、担当者は「しっかりと議論を重ねる必要があり、期間内の着手は難しいだろう」とみている。
味の素スタジアムは調布市西町376ノ3他に立地。多摩地域だけでなく全都的なスポーツの拠点として、00年に調布基地跡地に建設された。JリーグのFC東京と東京ヴェルディのホームグラウンドとして知られる他、コンサートやフリーマーケットなど多彩なイベントを開催。開業当初から都が運営費を負担せず、運営費の全額を施設の事業収益で賄っており、都や京王電鉄などが出資する第三セクターの東京スタジアムが指定管理者として運営管理を担っている。
今後の整備方針を検討するため、初となる調査業務の委託先を決める希望制指名競争入札の手続きを10月28日に始めた。都市計画・交通等計画業務Aの競争入札参加有資格者から10月31日まで希望申請を受け付けている。総合評価方式を採用し、12月3日を期限に技術提案書を提出してもらい、12月上旬にヒアリングを実施。専門性や業務内容の項目では、スタジアム・競技場の大規模改修などに携わった実績やJリーグ・パラスポーツへの深い知見などを評価する。12月17日に開札予定で、委託期間は26年12月25日まで。
検討対象は、▽味の素スタジアム▽アミノバイタルフィールド▽西競技場(AGFフィールド)▽各広場▽北側駐車場▽味の素スタジアムにぎわい施設(ポケットガーデン)▽味の素スタジアム付属施設(ミズノフットサルプラザ味の素スタジアム)▽ミズノフットサルプラザ調布▽味の素スタジアム商業施設(ユーロスポーツ)―の施設で、総延べ床面積約8・5万平方㍍(うち味の素スタジアムが約8万平方㍍)。この他、外構や、ペデストリアンデッキ、スタジアム内のコンコース・駐車場も含んでいる。
業務では、必要とされる設備・キャパシティーや電気・機械設備の系統を共有する施設間の影響などを整理した上で、スポーツ団体や来場者などへニーズ調査を実施。既存事業への影響を最小限に抑えながら改築や大規模改修を施した類似施設の事例なども調べる。
これらを踏まえ、①改築②全面改修③経年劣化などに対応した改修―のパターンごとの整備方針案を提示。FC東京と東京ヴェルディが各々のホーム試合をアミノバイタルフィールドや西競技場で実施する可能性も含め、幅広く検討する。また、改修工事中のパラスポーツトレーニングセンターへの影響も考慮。その上で、概要や工期、概算工費、イメージ図などをまとめる。
