岐阜建協と鹿児島建協 姉妹協会盟約55周年記念式典

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 岐阜県建設業協会(各務剛児会長)と鹿児島県建設業協会(藤田護会長)は、「姉妹協会盟約55周年記念式」を10月30日に岐阜市内で開催した。  両県の間には、江戸時代中期の1755年(宝暦5年)、たびたび洪水に襲われる岐阜県南部を流れる木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)流域の治水工事「宝暦治水」を薩摩藩が担い、数々の困難を乗り越え完成に導いた歴史がある。  岐阜県建設業協会と鹿児島県建設業協会は、工事に従事した薩摩藩士「薩摩義士」の功績を顕彰し、友好を深めるため、1969年に姉妹協会盟約を締結。その後、5年ごとに相互に訪問し、交流を深めてきた。(50周年記念式典は、新型コロナウィルスの影響により3年遅れで開催)  式典の冒頭、岐阜県建設業協会の各務会長が「薩摩義士の方々が幾多の辛苦を乗り越え、不屈の精神を貫いて成し遂げられた宝暦治水のご遺徳を忍び、岐阜県民挙げての報恩の念を捧げるとともに、今後ともそのご遺徳をいつまでも後世に語り伝えていきたい。姉妹協会盟約55周年という半世紀となる記念すべき日を契機とし、両県建設業協会の友好親善を、なお一層深めていきたい」とあいさつ。  藤田会長は「減災・防災はいつの時代も最も重要なテーマの一つ。宝暦治水という先人の功績を後世に伝えるとともに、現代の建設業者として新たな技術を積極的に取り入れ、われわれも後世に誇れる社会基盤整備に取り組んでいきたい」と話した。  また、来賓として出席した江崎禎英岐阜県知事は「岐阜県人として、宝暦治水の功績に対して感謝の気持ちを忘れたことはない。建設業は昔も今も命を守る仕事。両協会の発展を心から祈念する」と述べた。          式典ではこの他、記念品として、岐阜県建設業協会からは揖斐川町産の「さざれ石」を贈呈、鹿児島県建設業協会からは「屋久杉のお盆」が送られ、互いに友好の思いを交換した。  また、式典に先立って海津市の治水神社を訪れ、宝暦治水工事で犠牲となった薩摩義士へ感謝と慰霊の念を伝えた。