大和ハウス 住友電設を子会社化へ データセンターなどの開発拡大

神奈川
 大和ハウス工業(大阪市北区)は、最終的に完全子会社化することを目的に、住友電設(大阪市西区)の株式の公開買い付けを開始した。買付代金は1694億円と試算する。12月15日までに完了する予定。電気工事で安定的な施工体制を確保することでデータセンターや半導体工場の開発・受注を拡大する狙いだ。  大和ハウス工業グループは創業100周年に当たる2055年の売上高目標を、現在の2倍近くとなる10兆円に設定。目標の達成のため、主力の住宅の他にも多様なアセットの開発に力を入れる。  中でも新たな核に成長させたいと考えているのが、データセンター・半導体工場関連事業だ。データセンターの市場規模は22~27年度に2倍に増えると予測。22年度には「DPDC」ブランドの開発事業を始動し、千葉県印西市で14棟、延べ約33万平方㍍の整備が進む。  半導体工場についても20~30年度に3倍に増えるとみており、4月にデータセンター事業本部準備室を設置。開発や工事受注を加速させる方針を示す。  一方で懸念しているのが建設業の担い手不足だ。特に専門工事業の技能者不足は著しいため、現在は下請け企業が選択受注を行うことが多く、施工体制の確保が課題となっている。  24年度には労働時間の上限規制が適用されたことから、今後も改善は見込まれないと判断。電気設備や情報通信関連のノウハウが必要なデータセンター・半導体工場を開発するに当たり高い技術力を有する専門工事会社が必要と考え、住友電設をグループに入れることを決めた。  住友電設に対してはすでに22~24年度に計90億円以上の発注実績があり、グループ化した後もDX分野などで交流が図れるとみている。住友電設、親会社の住友電気工業(大阪市中央区)とも公開買い付けに賛意を示している。