愛媛県 24年度木材供給・利用実施状況まとめる
四国
愛媛県の過去5年間 の原木供給量の推移
愛媛県は、2024年度の「木材供給および利用促進に関する施策の実施状況」を取りまとめた。県内原木供給量の23年度実績は前年度比13・5%減の51万9000立方㍍となり、全国12位の供給量だった前年度から順位を一つ下げ13位となった。このうちヒノキも全国2位から一つ下げ3位の22万4000立方㍍となった。
供給量減少の原因は、木材価格の低下や木造住宅着工数の減少などの影響による。
一方、主伐については、計画的・段階的に導入することで県産材の増産に取り組むとともに、一貫作業システムの普及などによる低コスト化を推進したものの、24年度の主伐面積は3・0%増の435㌶となった。また主伐・再造林の実施に当たっては、林地条件に応じた確実な更新と保育が確保されるよう配慮。成長や材質などに優れた苗木の供給やドローンなど最新技術の活用などにより、低コスト化を推進した。
建築物などへの県産木材の利用推進では、公共施設の木造化または木質化、公共土木事業での木材利用を継続。森林環境税を活用し、市町などが建設する公共施設などの木造化または木質化への経費支援やCLTを使った県産木材の利用に対する支援にも引き続き取り組んだ。この結果、24年度は、住宅などで295件、住宅などのリフォームで54件、住宅などの外構施設で17件の県産材支援を行った他、CLT建築物で9件、公共施設などの木造化・木質化で9件の支援を行った。
林業人材の育成や研修会などの講習会の開催、CLT建築物の住環境評価といった試験研究などソフト面にも力を入れた。24年度は新規参入者45人を含む804人の林業就業者を確保した。また、市町担当者や県内設計士などの木材利用に携わる関係者を対象に木材の利活用を担う設計者や木材の加工技術者などの人材育成にも取り組んだ。
この他、林地残材などの木質バイオマスなどへの有効利用にも力を入れ、24年度は23年度より3万9000立方㍍多い、11万8000立方㍍の林地残材を利用した。
