ぽんせつ先生に聞いてみよう! 2026年はどんな年になる?

中央

価格上昇分の転嫁が企業の利益確保に直結する

P.あけましておめでとうございます。キューメットは2026年をどんな1年にしたいのかな? Q.知りたいことが山ほどあるよ!ぽんせつ先生!今年もいろいろ教えてよ。 P.こちらこそよろしくお願いします。 Q.今年はどんなことがニュースのキーワードになるの? ■プラス幅縮小予測も、上昇基調は継続か P.今年も「物価上昇」は建設業界の関心事となるでしょう。日銀は、26年の生鮮食品を除く消費者物価の上昇率が2%を下回る水準へと、プラス幅を縮小させると予測しています。上昇率が縮小するとは言え、21年から続いている物価の上昇局面が変わることはなさそうです。 Q.もっと生活が苦しくなるのか・・・ P.5年以上続いている今の物価上昇は、価格上昇分を最終消費者に転嫁できた結果とも言えます。ただ、サプライチェーンの中間で価格を転嫁できない企業は収益を維持することができず、そこで働く労働者はキューメットのように生活に不安を抱えることになってしまうのです。 Q.でも、値段が高くなったら売れなくなっちゃうじゃない。 ■改正建設業法が完全施行 価格転嫁の交渉ツールに P.そうだね。建設業で言うと、公共工事にしろ、民間工事にしろ、必ず競争が伴います。そもそも受注できなければ、利益を確保することもできません。そこで昨年12月、企業の価格転嫁を後押しし、働く人の給与の水準を引き上げるための改正建設業法が完全施行されました。今年は改正法が本格的に運用される最初の年になります。 Q.法律でどうやって価格転嫁を進めるの? P.すでに一昨年の12月には、受注者が資材価格の上昇分を転嫁するための「おそれ情報」が施行されています。これに続き、昨年12月に施行されたのが「労務費の基準」です。労務費の基準の運用が始まり、改正法が全面施行されました。 Q.労務費の基準って最低賃金みたいなもの? P.使用者は、労働者に地域ごとに定められた最低賃金額以上の賃金を支払う義務がありますが、労務費の基準は適正な労務費の水準を示すものです。契約当事者が価格交渉する場合の「相場観」だったり、改正法が禁止した「著しく低い労務費」の目安として使われます。施行当初は14職種に基準値が定められました。どちらかというと、一部の地方自治体が定めている「公契約条例」に近いと言われています。 Q.今年も人手が足りないんだったら、給料はもっと上がるのかな? P.そうかもしれないし、そうではないかもしれません。今後、日本の人口減少はさらに加速しますが、賃金の原資となる利益を確保できなければ、企業は賃上げに踏み切ることはできません。建設業は、技術者、技能者のいずれにおいても、人手が足りなければ、受注を増やすことができません。人手不足の今、労働者1人当たりの完成工事高を高くするための生産性向上が必要です。 ■人手不足 生産性向上で補える? Q.i-Constructionでしょ。それは僕でも知ってるよ! P.それは失礼しました。建設現場の生産性を向上するi-Constructionは、今年でスタートから10年がたちます。中でも、ICT施工は、直轄工事の実施率(対象工事に対するICT施工の現場実施率)が9割、都道府県・政令市の実施率が2割まで進みました。  国土交通省は、すでに無人化施工や遠隔施工によって省人化を図るi-Construction2・0を推進しています。人口減少下で、建設業にはさらに厳しい人材獲得競争が待ち受けています。現場の生産性向上と省人化は、今年もニュースのキーワードになるでしょうね。 ■夏場の働き方 早期に道筋示すべき Q.今年の夏はまた暑いのかな? P.異常気象とも言える記録的な夏の暑さが続いています。昨年の夏は、建設現場でも、熱中症を防止するためのさまざまな対策が講じられました。気象庁は今年の夏の予報をまだ発表していませんが、ここ数年、気候変動の影響で気温は上昇傾向にあります。 Q.やっぱり夏場の働き方は変えないとまずいよ。 P.そうですね。昨年6月、厚生労働省は職場での熱中症対策を義務付けました。建設現場は熱中症に特に注意が必要な職場の一つです。気温の高い日中の作業を減らすことは、最も効果の高い対策です。  ただ、作業時間の減少に伴う工期の遅れ、それに伴う建設コストの増加、日給月給の作業員の給与の減少といった、大きな課題を解決しなければなりません。完全に解決することは難しいかもしれませんが、働く人の健康に関わるこの問題は早期に解決への道筋をつける必要があるでしょうね。