ダンピング対策、市町村も 監理課長会議で徹底促す

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 国土交通省は、11月17日から開始する2025年度下期ブロック監理課長等会議で、第3次担い手3法の全面施行を見据え、地方自治体に低入札価格調査制度や最低制限価格といったダンピング対策の徹底を求める。すでに対策を実施している都道府県・政令市には対象工事の拡大を促すほか、都道府県を通じて市町村レベルでの対策の徹底も呼び掛けてもらう。  ブロック監理課長等会議では、国交省が都道府県の入札契約担当課長と意見交換する。17日の中部ブロック(静岡市)を皮切りに、全国8ブロックで11月末にかけて開く。  今回は、建設業の持続性確保に向けて改正建設業法に基づく労務費の基準が作成、勧告されることを説明。労務費ダンピングを防止する公共発注者向けの指針を紹介する。  その上で、第3次担い手3法を踏まえて都道府県・政令市に求められる対応を整理。都道府県・政令市にはダンピング対策の対象工事を拡大するよう求めるとともに、管内市町村にダンピング対策の徹底を働き掛けるよう促す。低入札価格調査や最低制限価格の導入が難しい場合、より簡易な「労務費ダンピング調査」の実施を求めるとし、今後は入札契約適正化法に基づく調査で実施状況をフォローアップする。  技能者の処遇改善に向け、賃金支払いの確認や、重層下請け構造の適正化に取り組む自治体の先進事例も提示する。  公共工事の円滑な施工確保を巡る議論では、国交省の各地方整備局が市町村の担当者を直接訪問する「入札契約適正化キャラバン」を通じ、週休2日の工事の導入が進展していることを報告する。  地域建設業の振興と担い手確保も会議のテーマとする。都道府県に管内の建設産業の振興策を発表してもらう。自治体の技術職員不足や、災害対応を担う地域建設業の経営安定化の方策として、地域維持型契約方式の活用状況、有効性についても議論する。  建設業の生産性向上に向け、バックオフィス業務のデジタル化やICT施工をはじめとしたICT活用の有効性を提示。国による支援事例とともに、都道府県独自の助成制度をまとめ、水平展開につなげる。  技術職員の不足が特に市町村の発注体制に大きく影響する中、都道府県による積算や監督・検査に関する研修・講習会の実施状況も説明する。  全国8ブロックでの開催地と日程は次の通り。  ▽中部(静岡市、11月17日)▽北海道・東北(仙台市、18日)▽四国(香川県高松市、19日)▽近畿(大阪市、20日)▽九州・沖縄(長崎市、21日)▽関東甲信(さいたま市、21日)▽中国(広島市、25日)▽北陸(金沢市、26日)