日本最大の再開発 六本木5丁目PJ 建築費上昇の影響大

東京
 森ビルの2026年3月期中間決算は、営業収益2290億円(前年同期比9・7%増)、営業利益681億円(同29・6%増)、経常利益636億円(同27・2%増)と増収増益だった。麻布台ヒルズなど賃貸収益の増加、住宅分譲が寄与した。通期業績予想は、営業収益3950億円(前期比2・4%増)、営業利益850億円(同0・8%増)、経常利益790億円(同0・5%増)と期初の想定通り、過去最高の更新を見込む。 ■建築費上昇の影響、進捗の見極め難しく  森ビルが住友不動産と共同参画する「六本木5丁目プロジェクト」。区域面積約10㌶、A・B・C・E街区に総延べ床面積約108万平方㍍、地上66階建て・高さ約330㍍の超高層タワーを核に、オフィス、住宅、ホテル、商業施設、文化施設などを開発する計画で、日本最大級の市街地再開発事業とされる。  23年7月に都市計画提案、24年4月の都市計画決定、地権者との合意形成を進めてきたが、建築資材価格の上昇が重くのしかかる。中間決算の会見では、建築費は今なお上昇中との認識を示し、「実際にどこで(いつ)建築できるかを見極めるのは非常に難しい状態」といい、用途を含め設計変更にも言及した。30年度の竣工を目指すとしているが、工程は建築費の動向に大きく左右されそうだ。