CCUS能力評価が進展 手数料支援で1.4万人判定
中央
建設キャリアアップシステム(CCUS)で能力評価を受ける技能者が急増している。建設業振興基金(谷脇暁理事長)が申請に要する手数料の実質無料化を開始した8月以降、申請件数はそれまでの2~3倍で推移し、11月17日までの速報値で1万3906人がレベル判定を受けた。手数料支援は2026年3月31日までの時限措置のため、建設業振興基金は簡易にレベルを推定できるウェブサイトなどを活用し、能力評価の実施を呼び掛ける。
技能者が保有する資格や就業履歴をCCUSに登録すると、専門工事業団体が整備した基準に基づき、分野ごとに4段階のレベル判定を受けることができる。
CCUSに登録している技能者約175万人のうち、能力評価を行っている技能者は一部にとどまっており、6月時点では約11・5万人だった。そこで、建設業振興基金は8月から26年3月にかけて申請手数料4000円を全額支援し、実質無料にすることを決定。新規に技能者登録を行うことに合わせて能力評価を申し込む場合も手数料3000円を支援するとした。
これにより、8月は3952件、9月は4504件、10月は3890件の申請を受け付けた。11月もこれに近いペースで受け付けており、4~7月の月平均1440件と比べると2~3倍と大きく増えた。
レベル別では、レベル2の申請が6395件、レベル3が4903件、レベル4が2608件となった。特に、初めて能力評価を受けるレベル2判定の技能者数の伸びが大きかったという。
45ある能力評価の分野別では「土工」が最も多く、3339件となった。次いで「電気工事」が1333件、「機械土工」が1079件だった。
レベル判定の促進を通じ、技能者が能力・経験に応じた処遇を受けられるようにし、将来の担い手確保につなげる。改正建設業法に基づく「労務費の基準」の運用方針案でも、能力評価レベルの高い技能者が必要な工事などを例に挙げ、基準よりも高く見積もるような価格交渉が必要になるとしている。
建設業振興基金は、能力評価の申請前にスマートフォン・パソコンで簡易にレベルの見込みを判定できる「能力評価サポート診断」や、CCUS認定アドバイザーによる能力評価の解説動画などを活用し、能力評価の申請を積極的に呼び掛ける。
