文京区 東大本郷キャンパスの高さ制限緩和 基本方針策定へ

東京

東京大学本郷キャンパスのエリア分け

 文京区は、東京大学本郷キャンパスの今後の整備方針を示す「東京大学本郷キャンパス地区都市計画基本方針」の素案をとりまとめた。老朽建物の更新時の施設規模や機能の拡充を図るため、22㍍第3種高度地区と一部南側が46㍍高度地区に指定されている同地区のうち、一部エリアの高さ制限を85㍍に緩和する内容などを盛り込んだ。2026年度に基本方針を策定し、27年度以降に高さの指定などを行う地区計画を決定する。  対象範囲は同キャンパス内の約40・3㌶。用途地域は第1種中高層住居専用地域(容積率300%、建ぺい率60%)で、南側の一部が商業地域(容積率600%、建ぺい率80%)に指定されている。  同キャンパス内にある計152棟の建物のうち、1975年以前に建設された建物が82棟と最も多く、次いで76~95年の建設が27棟、96~2005年が20棟と、築50年を超える建物が過半を占めている。  整備に当たって、土地利用の大きな区分として教育研究・医療機能を担う「教育研究・医療エリア」と、みどりを保全する「歴史的緑地保全エリア」に分け、それぞれの方針を定める。  「教育研究・医療エリア」は建物の高さ上限を、既存建物の最高地点にあたる60㍍程度とする。老朽建物を更新するとともに、歴史的建造物の意匠を保全しつつ、施設規模や機能の拡充を図る。同エリアのうち、医学部教育研究棟や薬学部本館などがある区域を「高層建物集積ゾーン」に位置付ける。このゾーンに限り、高さの上限を現在の入院棟と同程度の85㍍に緩和する。「高層建物集積ゾーン」は周辺市街地への影響が少ない敷地南側に配置し、歴史・文化的資源を保全しつつ、施設規模や機能の拡充を行う。  一方、大講堂や法学部1・2号館など、国の登録有形文化財を含む歴史的建造物が集積する範囲は「歴史保全ゾーン」に位置付ける。高さの上限は46㍍程度とし、歴史的建造物の維持・保全を行う。特に屋外空間はさまざまな工夫を凝らし、ゾーン全体の質の向上を目指す。  懐徳館庭園や三四郎池などの大規模緑地がある空間は「歴史的緑地保全エリア」に位置付け、みどりを保全するとともに、景観に配慮した建物の高さに抑制する。  この他、災害時の避難場所として広場や歩行空間の確保を図り、避難所に関する災害協定を区と締結する。また、地域に開かれたキャンパス空間を形成するとともに、関連住民・企業・自治体などと協議を重ね、本郷キャンパス周辺地域のまちづくりを推進していく。 パネル展示型説明会を開催  12月に、東京大学本郷キャンパス地区都市計画基本方針のパネル展示型説明会を開催し、地域住民からの意見を募る。26年3月に都市計画審議会へ報告し、26年度中に基本方針を策定する。  策定後は基本方針に基づき、本郷キャンパスのハード面に関する方針を定め、27年度以降に地区計画を決定する。現時点で地区計画は高さ指定や地区施設の指定、壁面線の指定などを想定している。