年頭所感 日本空調衛生工事業協会会長 藤澤一郎氏

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 新年あけましておめでとうございます。日頃より日本空調衛生工事業協会の活動に対し、格別のご理解とご支援を賜り、心より御礼申し上げます。2026年のはじまりにあたり、会員の皆様、関係各位のご健勝とさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。  昨年1年間を振り返りますと、国内外の情勢は依然として大きな変動にさらされました。1月には「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ政権が再始動し、就任直後からの関税措置により世界経済には不透明感が広がりました。9月の日米交渉妥結を経ても先行きはなお不安定で、日本の産業界にも影響が及んでおります。  4月に開幕した「大阪・関西万博」では、開幕当初の来場者数こそ伸び悩んだものの、その後は徐々に人気を高め、最終的には2800万人を超える来場を記録し、全体として黒字を確保いたしました。一方で、一部外国パビリオンの工事遅延による未完成問題や工事費未払いなど、建設・設備業界として深い関心を寄せるべき課題も浮き彫りとなり、多くの教訓を残した1年でもありました。  政治の面では、7月の参議院選挙で与党が過半数を割り込み、石破総理が辞任を表明。総裁選の紆余曲折を経て、公明党が連立を離脱し、自民党と日本維新の会による高市内閣が発足いたしました。高市総理は高支持率を背景に順調なスタートを切りましたが、台湾情勢に関する国会答弁を契機に中国との関係が悪化し、国際環境の緊張感は依然として続いております。  一方で、明るい話題もありました。11月のデフリンピック東京大会では、日本選手の活躍が多くの感動を呼びました。科学分野では坂口氏の生理学・医学賞、北川氏の化学賞と、2名がノーベル賞を受賞する喜ばしい出来事が続きました。またMLBでは、大谷翔平選手がワールドシリーズ連覇と3年連続4度目のMVPという偉業を成し遂げ、日本のみならず世界中に希望と活力を届けてくれました。  国内では、例年を上回る猛暑により最高気温や猛暑日数が各地で更新されるなど、気候変動の影響が一段と顕著になりました。秋には熊による被害が全国で発生し、工事現場においても新たな安全対策の必要性が浮き彫りとなった1年でした。  このように社会・経済環境が激しく変化する中で、建設業界も大きな転換期を迎えております。人手不足の深刻化、資材価格の高止まり、脱炭素社会に向けた要求の高まり、建築物の高機能化・省エネ化の加速など、空調衛生工事業に求められる役割は一層多様化・高度化しています。こうした環境において、品質確保と安全管理の両面で不断の努力を続けておられる会員企業の皆さまに、改めて深甚なる敬意を表します。  当協会におきましては昨年、担い手確保に向けた長時間労働の是正、週休2日制・土日閉所の拡大、生産性向上に資するBIM・DXの活用力強化、カーボンニュートラル時代にふさわしい設備技術の普及など、多岐にわたる取り組みを進めてまいりました。特に若年技術者の確保・育成は業界の未来を左右する重要課題であり、本年も教育プログラムの充実や、働きやすい環境づくりに寄与する情報提供・支援を継続してまいります。  さらに、地震や風水害など自然災害が頻発する中で、社会インフラの安全性を支える設備業の使命はこれまで以上に重要性を増しております。本年は、レジリエンス強化に資する設備技術の開発・導入、維持管理の高度化、人材の専門性向上に努め、安心・安全な社会の実現により一層貢献してまいる所存です。  2026年はどのような年になるのでしょうか。空調衛生設備は人々の健康と快適性を支え、経済活動を下支えする「社会の基盤」です。その重要性は今後ますます高まってまいります。技術革新を積極的に取り入れ、新たな価値を創造し、業界一丸となって持続的な発展を実現してまいりましょう。  本年が会員の皆様にとりまして飛躍の年となりますよう心より祈念申し上げるとともに、引き続き当協会の事業へのご理解とご協力をお願い申し上げ、新年のご挨拶といたします。