神奈川県 相模灘海岸保全基本計画改定へ素案 

神奈川

計画上の護岸の高さ

 神奈川県は、相模灘沿岸海岸保全基本計画の改定素案をまとめた。将来の気候変動の影響を踏まえて海岸保全施設の整備の水準を定めることとしており、2100年時点で平均気温が2度上昇した場合、必要な護岸などの高さは現行計画と比較して全体で平均約1・4㍍、最大では小田原市国府津で4㍍高くなる。将来の気候変動の予測は不確実なため、今後10年間の目安としては約50年後の水準を整備目標とすることが望ましいとしている。  基本計画は04年5月に策定。三浦市剣崎から静岡県境までの相模灘沿岸を対象に、海岸保全施設の整備に関する基本的な方針を示している。今回の改定では国が20年11月に変更した海岸保全基本方針に基づき、2100年時点で平均気温が2度上昇するシナリオを前提に、海面水位の上昇や台風の強大化などに対応した計画上の護岸などの高さを定める。  護岸などの高さは、高潮・波浪に対する高さと津波に対する高さを比較して、高い方の値を基に設定した。現行計画と比較して全体で平均1・4㍍、三浦半島などの横須賀ブロックでは平均1・3㍍、鎌倉、湘南などの藤沢ブロックでは平均0・8㍍、平塚、二宮、大磯などの平塚ブロックでは平均2・1㍍、小田原、湯河原などの小田原ブロックでは平均1・8㍍高くなる。  現行計画との差が最も大きかったのは小田原市国府津の4㍍、次いで二宮町二宮の3・5㍍。県によると平塚、小田原ブロックなど西部の地域は特徴的な海底地形から高波が発生しやすく、平均海面の上昇に台風の強大化の影響を加えたため差が大きく算出された。一方、東部の地域は津波の影響が大きく、平均海面上昇のみ考慮したため差が比較的小さかった。  将来の気候変動の予測は不確実で、施設の耐用年数や整備費用などの制約条件を考慮する必要があることから、段階的な整備が想定される。今後10年間程度の目安として、約50年後の水準を当面の整備目標とするのが望ましいとした。今後の施設整備について、県議会建設・企業常任委員会で平本浩一防災なぎさ担当課長は「高潮・高波や津波の影響で大きな被害が生じる可能性がある箇所を抽出し、優先度やスケジュールを検討する必要がある」と説明した。  県民意見の募集などを経て、26年3月に計画を改定する。