日建連 宮本洋一会長「建設業の未来 切り拓く“実行元年”に」

中央
 2026年の年頭に当たり、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。 昨年の日本経済を振り返りますと、企業収益や設備投資の持ち直し、賃上げの継続など、堅調な動きがみられた一方、資材・エネルギー価格の高止まり、為替変動、国際情勢の不確実性など、経済環境は依然として先行きに課題を抱えています。人口減少・労働力不足が急速に進む中で、生産性向上や産業構造の転換は待ったなしの課題であり、わが国全体で人的資本への投資やデジタル化の加速が求められています。 そのような環境下、25年は建設産業にとって、持続可能な産業構造への転換が確実に前進した一年となりました。6月には「第1次国土強靱化実施中期計画」が閣議決定され、巨大地震の切迫、風水害の激甚化、老朽化インフラの増加といった喫緊の課題に対応するため、従来を大きく上回る規模と明確な方針が示されたことは極めて大きな意義を持つものです。  また、12月に全面施行された改正建設業法につきましては、標準請負契約約款の改正、「労務費の基準」が導入され、公共工事設計労務単価の13年連続の引き上げ、外国人材の「育成就労制度」の議論の前進など、技能労働者の処遇改善に資する環境整備が着実に広がった1年となりました。  他方、週休二日の拡大、酷暑期の労働時間削減、建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及促進など、働き方改革の諸施策は着実に進んでいるものの、依然として道半ばであり、継続的な取り組みが強く求められています。  当会では、建設産業の未来に向けた成長と変革の方向性を示す「長期ビジョン2・0」を昨年策定いたしました。生産性25%向上、技能労働者の異次元の処遇改善、多様な人材が活躍できる環境整備など、35年に向けた具体的な改革目標を明らかにするとともに、改革を実現するために不可欠なすべてのサプライチェーンにおけるウィンウィン関係の構築にも言及しています。本ビジョンが関係者共通の「道標」として、産業全体の取り組みを後押しするものと期待しています。  そして26年は、長期ビジョンに掲げた改革を実行に移す「実行元年」であります。昨年、政府が取りまとめた総合経済対策では、日本経済を「デフレ・コストカット型経済」から「成長型経済」へ転換させるための三つの柱が示され、従来はコストと考えられてきた経済、食料、エネルギー・資源などの安全保障、国土強靭化が、強い経済を実現するための危機管理投資と位置付けられました。特に「令和の国土強靱化」については、労務費・資材価格の高騰などの現状を踏まえつつ、防災・減災、災害からの復旧・復興、安全・安心の国土づくりを一層推進する姿勢が明確に示されました。防災・減災、国土強靱化、インフラ更新、地域再生など、政府の政策には建設産業への期待が大きく寄せられています。  この期待に確かな成果で応えるため、長期ビジョンに掲げたAI・ロボット等の最先端技術の開発・普及による生産性向上、働き方改革、人材育成の強化による技能労働者の異次元の処遇改善を一体的に進め、業界全体として着実に改革を前へ進めていかなければなりません。  建設産業は、国民生活と社会経済の基盤を支える公共性の高い産業です。当会は、建設業を「新4K」―給与が良い、休暇がとれる、希望がもてる、かっこいい産業へと進化させ、国内外の人材から「選ばれる産業」へと発展させるべく、会員企業とともに全力で取り組んでまいりますので、関係各位のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。  最後になりますが、皆様方のご健勝とご発展を心より祈念申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。