巴工業 綾瀬の新工場建設に52億円投資

神奈川

完成イメージ。延べ床面積は約6900㎡となる予定

 【綾瀬】巴工業(東京都品川区北品川5ノ5ノ15)は、「(仮称)新綾瀬工場」の新築工事に52億円を投資する。遠心分離機の生産能力を増強することで海外市場の需要を取り込む狙いだ。現在は既存建物を解体中。2026年3月末に除却が完了した後に新築工事を開始し、27年10月の完成を目指す。設計者・施工者は明らかにしていない。  新工場の規模は鉄骨造2階建て延べ6909平方㍍を想定する。生産スペースの拡大や自動化設備の導入により、遠心分離機の生産能力の増強を図る。また、部品加工を担う子会社の巴マシナリーの本社工場を新工場に集約。防爆仕様の試験棟も併設し、部品加工・組み立て・実機テスト機能を一体化した拠点を整備する。  生産品目の遠心分離機は、回転による遠心力を利用して液体や固体の混合物を効率的に分離する装置。化学工業、食品、医薬品、水処理などの分野で活用されている。インドで化学工業分野の成長が見込めることや東南アジアでインフラの需要が拡大していることを受け、需要に見合った生産体制を整える考え。  遠心分離機を中心とする機械事業で、30年10月期の売上高目標を24年10月期(115億円)の2倍となる230億円に設定。新工場の整備により生産性が向上することで、従業員1人当たりの生産額は27年10月期の1260万円から2011万円に増え、5%の賃金上昇が可能とみている。  建設地は綾瀬市深谷中8ノ6472ノ8の敷地6680平方㍍。約22億円で取得した。  解体している既存建物の規模は鉄骨造平屋4915平方㍍。施工は植田建設東京支店(東京都品川区)が担当。  新工場に機能を移転する巴マシナリーの現本社工場(綾瀬市深谷中9ノ31ノ36・敷地面積2988平方㍍)については、設備の移転後に解体し機材置き場や倉庫として活用する方向で検討している。